一斉休校のあおり食らった畜産業界 7500トン余剰の生乳どこへ

2020年03月02日 16時20分

 学校給食停止で牛乳の行き場がなくなった。新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて、安倍晋三首相の要請を受け、全国の多くの小中高校などは2日から臨時休校となった。この泡を食ったのが学校給食向けの生乳で、産地や乳業メーカーは頭を抱えている。

「突然の臨時休校実施で学校給食向けの野菜などの取引のキャンセルが相次いでいますが、それ以上に深刻なのが、生乳の大量の余乳です。皮肉にも3月は搾乳が一番、盛んな時期。大量の余乳をどう処理するか? 畜産農家や乳業メーカーは困り果てています」(大手乳業メーカー社員)

 学校給食に提供する生乳は全国の飲用(年間約400万トン)の1割弱で、全てが国産。そのうち、最も供給量の多い関東は年間10万トンを学校給食用に使用しているという。

「関東の公立学校だけでも、2週間以上前倒しで休校になったんですから、7500トンの生乳が余ることが予想される。関東生乳販売農業協同組合連合会では、取引メーカーからキャンセルされた生乳は余力がある大手乳業メーカーに引き受けてもらうことになりますが、全国規模になるとメーカーも限界がある」(農水省関係者)

 キャンセル分は、全脂粉乳やバターなどの加工向けに振り分けているが、どの工場でも加工できる機械があるわけではない。乳製品にして、お土産品を店に並べたところで、爆買いしてきた中国人観光客は道内はもちろん日本全国から消えてしまった。売り上げが見込めない“負のループ”に陥った。

 ネット上ではこのピンチを救おうと、牛乳や乳製品の購入呼びかけや牛乳からレアチーズを作る方法などが紹介され、賛同する動きになっている。