「ハチ公最期の姿」公開

2012年06月19日 12時00分

 77年の時を経て歴史的写真がよみがえった。東京・渋谷駅で亡き飼い主を待ち続けた「忠犬ハチ公」(秋田犬=雄)の最期の写真が、16日から始まった渋谷区郷土博物館・文学館の企画展で展示されている。写真が公になるのはハチ公が死んだ1935年以来。

「写真の精度もいいし、それぞれの人が本当に悲しんでいて『天国へ行ってほしい』という思いをふつふつと感じる。(昨夏に)寄贈された時は、初めて見る写真だと思った」
 同館の学芸員・松井圭太氏(44)は歴史的カットの印象をそう語る。

 セピア色の写真は35年3月8日、ハチ公が渋谷川にかかる稲荷橋の近くの路地で冷たくなっているのが見つかった直後に撮影された。ハチ公が渋谷駅で待ち続けた亡き上野英三郎東京帝大教授の八重子夫人、同駅長、ハチ公の世話をした駅員らが頭を垂れ、横たわる犬の前で手を合わせて冥福を祈っている。

 実は死んだ翌日の3月9日、「やまと新聞」に同じカットの写真が掲載されていたことが寄贈後に判明。その後は日の目を見ることなく、昨年8月、同館でハチ公の頸部の毛が初公開されたことを知った世話係の駅職員の娘が「自分が死ねば捨てられてしまうかもしれない。父の思い出でもあり、大切にしてほしい」と寄贈した。