警察、刑務所が〝生む〟生活保護者

2012年06月19日 18時00分

 お笑いコンビ「次長課長」の河本準一(37)の母親が受給していたことで社会的関心を集める生活保護問題。受給者数は210万8096人(今年3月時点)となり、初めて210万人を超えた。給付総額も今年度中に3兆7000億円に達する危機的状況の中、不正受給は喫緊の課題だ。怪しげな面々が後を絶たない受給申請窓口の担当者が、現場の実情と問題点を激白した。

 昔は生活保護を受けることは〝恥〟との認識もあったが、インターネット上では「生活保護ゲット」などとうたう「受給マニュアル」なるものが公開されるなど「もらわないのは損」と時代は変わった。経済的余裕があるのに保護を受ける不正受給者の存在は最大の問題だ。

 目立つのが度々問題になる暴力団組員による申請だ。東京23区内の某区役所の窓口担当者A氏によると、面接で疑いを持ったら警察に照会をかけ、構成員と認められたら組織からの脱会を促すのが手順だという。

「明らかにその筋とみられる人や、言動が粗暴だったり、職歴についてお茶を濁す人も疑う」

 これ以前に、年金記録と職歴を照合してズレがあれば、はじくこともある。「データベースには構成員のデータしかないので、チンピラのような準構成員はヒットしない。暴力団の関係者がスリ抜け受給していることは考えられる」

 また「刑務所から役所へ直行組」も頭痛のタネだ。「刑務所側は、受刑者が出た後すぐ戻られちゃ困る。ハローワークで仕事を探せと言うべきところが、刑務所で保護申請書を書かせ、役所に行かせることが多いようだ」とA氏は内情を明かす。数字として記録されてないが「刑務所から出た直後に保護申請する人数」と「暴力団について警察に照会した数」を10年前と比較すれば「間違いなく増加しているはず」だという。

「我々は『受給者を減らせ』と言われるが、警察は『脱会させるため、暴力団組員を保護しろ』と言い、法務省も出所者の保護を受けさせる。一方は『減らせ』と言い、もう一方は『保護しろ』と言う」と語り、矛盾を指摘した。