混乱に拍車かけるコロナ対策“デマメール”

2020年02月26日 16時27分

 デマ?メールにご用心! 感染拡大する新型コロナウイルスについて、日本政府は25日、国民が取るべき行動などを盛り込んだ基本方針を発表した。しかし、その中身は通り一遍の対策を改めて明示しているに過ぎない。ちまたでは、新型コロナウイルスは「26~27度の温度で死ぬ」「お湯を飲めば予防できる」などと書かれた「コロナウイルス対策の内容」なるメールも蔓延しており、混乱に拍車をかけている――。

 政府はこの日、新型コロナウイルス対策の「基本方針」を公表。加藤勝信厚労相は「まさに今が、今後の国内での健康被害を最小限に抑えるための極めて大事な時期だ」と繰り返したが、その中身は漠然とした表現ばかりが目立った。

 手洗い・うがいの徹底やマスクの着用、不要な外出を控えたり、イベントの自粛を求めるのはまだいい。

 肝心の受診・相談の目安は従来同様、37・5度の熱が4日間以上続いたり、強いだるさや息苦しさを感じた場合のみで、軽度の風邪症状では自宅での安静・療養が原則と勧めた。むやみやたらに相談が増えると、窓口の保健所が対応に追われ、病院にも大きな負担がかかることを考慮しての措置とみられるが…。

 大手製薬会社の40代男性は「とっくにパンクしている。保健所は相談を受けても右から左で『病院に行ってください』と言うだけ。保健所では新型コロナの検査はできないので、結果的に陽性患者が病院に行き、一般病棟の待合室で診断を待つ。その間はほかの患者と混在するので、感染が拡大する。本来、一番安全であるはずの病院が、最も危険な場所になっている」と明かす。

 ならば、検査態勢を整えるべきだが、加藤厚労相は新型コロナウイルスを検出できる唯一の検査法であるPCR検査の充実については明言を避けた。お隣の韓国では1日に5000件実施できる態勢にあるのに、日本は検査キットが不足していることや、人員が限られているため、全く追いつかないのだ。

 加藤厚労相はこの日の衆院予算委員会で「(PCR検査は)保険適用になる。報酬単価を決める作業を進め、いつでもスタートできるようにしたい」と述べたが、はっきり言って遅いくらいだ。

 医療ガバナンス研究所の理事長で内科医の上昌広氏は「後手後手の対応。ついこないだまでPCR検査は100件もやっていなかったんだから。加藤氏は厚労省の役人に対応を丸投げして、厚労省は厚労省で、蔓延すれば新たに予算がつくと考える。2009年の新型インフルエンザの流行時と同じことをやっている。論外だ」と非難した。

 続けて「新型コロナで亡くなるのは高齢者だが、感染を拡大しているのは若者だ。症状が出ているのに働くから(ウイルスを)まき散らす。私はすでに国内の感染者は何十万人規模だと想定している。病院に行くのは危ないのだから、遠隔診断の規制を緩和すべきだ」と訴えた。

 真偽不明のメールも広がっている。本紙が入手したのは有名企業社長やマスコミ関係者から転送されてきたメールやLINE。それらは多少、文章に違いはあるが、「(新型コロナは)耐熱性に乏しく、26~27度の温度で殺傷します。なので、より多くのお湯を飲んでください」や「外出時も暖かいお茶などをポットで持ち歩いて飲んでください」などとある。

 さらに「補足」では「カテキン入りのお茶と体温より熱いお風呂有効です」と記されている。

 前出の上氏は「全くのデマ。お湯で(ウイルスが)死ぬわけがない。ただ、田舎の高齢者の中にはそれを信じてしまう人もいると思う。これも政府がウイルスに関する正確な情報を出さないのが悪い」と指摘した。

 また、パソコンやスマホに送られてくるデマメールの中には、コンピューターの正常な利用を妨げる不正プログラム「マルウエア」が埋め込まれているものもあるから、注意が必要だ。

 現実の世界で新型コロナウイルス、ネット上ではコンピューターウイルスが“蔓延”してはシャレにならない。