新型コロナ集団感染のクルーズ船に残った米弁護士 チャーター機飛ばした自国政府を批判

2020年02月18日 16時20分

米政府のチャーター機で、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から退避した米国人乗客らに説明する防護服姿の米保健当局者(乗客のコーター氏夫妻提供、ロイター)

 新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の米国人乗客約380人のうち328人が、米政府のチャーター機2機で17日、羽田空港から帰国した。米メディアが「船内に閉じ込められた数百人を救出」などと報じる中、ある米国人夫婦は「船内の方がより安全」だとして同船にとどまることを決めた。

 米紙ニューヨーク・ポストによると、その夫妻は弁護士のマシュー・スミスさんと妻キャサリンさん。「来週いっぱいまでここにいる。検査を受けるんだけど、結果は陰性だと思うよ」とマシューさんはツイート。

 今回のチャーター機について、マシューさんは「米政府にはとても失望した。(このタイミングで集団移動させることは)せっかくダイヤモンド・プリンセスの船内で確立してきた検疫体制を妨害する行為だ」と憤った。というのも、帰国希望者の中にはウイルス感染者がいる可能性があり、狭い機内に長時間同乗することは感染につながるものだと訴えたのだ。

 また、帰国者の中にはまだ検査を受けていない人たちが多く、「到着後はそんな人たちと検疫で2週間も一緒にされるというんだ。全く意図が分からない」と米政府の対応を批判した。

 米国務省によると、帰国希望者は米国内の空軍基地に到着後、ウイルス検査を受け、陰性であることが確認された人は2週間後の3月4日に入国が許可されるとしている。

 一方、マシューさんは毎日、夫妻の客室からその日に提供された食事や生活ぶりについてツイッターで報告。食事については「毎日がクリスマスみたいだ」などと単調な生活をユーモアたっぷりにツイートしている。

 厚生労働省によると、同船では17日までに乗客乗員1723人がウイルス検査を受け、454人の感染を確認。感染者は医療機関で治療を受けている。また船内に残っている乗客乗員については全員ウイルス検査を実施する方針で、陰性だった人は健康状態を確認したうえで19日以降、順次、下船してもらうという。クルーズ船では「にっぽん丸」が18日、東京・晴海に入港した。