金正恩氏 3週間ぶり「公の場」の意味

2020年02月17日 16時10分

金正恩氏(ロイター)

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の3週間ぶりの公の場が意味するものは――。

 北朝鮮の国政メディア・朝鮮中央通信が16日、正恩氏が父・故金正日総書記の生誕78年に合わせ、金総書記と祖父・故金日成主席の遺体が安置される平壌の錦繍山太陽宮殿を訪問したと報じた。

 国民に正恩氏への忠誠と結束を訴えるのが訪問、報道の狙いとみられるが、正恩氏の動静が伝えられたのは1月26日に旧正月の記念公演観覧が伝えられて以来、約3週間ぶりだったため、様々な見方が浮上した。

「北朝鮮は新型コロナウイルス対策で国家非常防疫体制を宣言し、中国国境などを封鎖しており、正恩氏自身も感染を警戒して外出を控えているといわれていた。だが、父・正日氏の誕生日である2月16日は毎年、必ず錦繍山太陽宮殿を訪れ“墓参り”する重要行事の日。あまりに動向が伝えられなかったので、これに現れなければ、重病説が取りざたされてもおかしくなかったが、予定通り姿を見せたため、何事もなかったとの証明にはなりました」とは韓国メディア関係者だ。

 北朝鮮の現状は、朝鮮労働党機関紙、労働新聞の15日までの報道によると、国内で新型コロナウイルスの感染者は発生していないとされる。

 また、北朝鮮保健省は世界保健機関(WHO)に対して、中国などからの入国者に対する検査で陽性反応を示した人はいないと報告したという。

 一部韓国メディアは平壌や中国と国境を接する新義州で感染者が発生したとの未確認情報を伝えている。だが、労働新聞は「党の賢明な指導と国家の迅速な措置、全人民の動員態勢により、わが国にウイルスが侵入する隙は少しもない」と主張した。

 正恩氏の宮殿訪問には、崔竜海最高人民会議常任委員長や朴奉珠党副委員長、金才竜首相ら党政治局メンバーが同行。労働新聞の写真には、米朝交渉の行き詰まりで解任されたとみられる李スヨン・前党国際部長や、李容浩・前外相らの姿はなかった。