新型コロナ・中国で「ツバ吐きテロ」!住宅地区の封鎖で帰宅難民続出しストレス爆発

2020年02月15日 16時00分

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。エジプト保健省は14日、外国人1人の感染が確認されたと発表した。アフリカ大陸では初。中国では、感染による死者が、当局発表の数字だけでも1523人、感染者は6万6492人に。発生源とみられる武漢のある湖北省はもちろん、北京や上海など大都市部の集合住宅でも厳しい「封鎖式管理」が続いており、地元民のストレスは爆発寸前だ。“帰宅難民”が発生したり、うっ憤晴らしか“ツバ吐きテロ”もゲリラ発生している。

 上海の封鎖地域で暮らす日本人駐在員によれば「延長されていた春節(旧正月)休暇から帰ってきたら、自宅のあるマンションや胡同(住宅地区)への立ち入りを禁止され、途方に暮れる人が続出している」という。

 こうして“帰宅難民”にされた悲惨な住民たちは「(潜伏期間とされる期間が過ぎる)14日間はホテルで待機しろ」などと追い返されているんだとか。

 中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」には「勤め先から早く職場復帰しろと言われたから戻ってきたのに、どういうことなのか」「安い給料で働く労働者にとって、14日間ホテルを借りるのは難しい」など、怒りの声があふれている。「家族連れが1週間、自宅のある住宅街の前で車中泊を強いられるケースも」と駐在員は言う。

 各封鎖地域内では、当局から「安全管理を厳格に実施せよ」というお達しを受け、ボランティアと称する人々が自主的にさまざまなルールを設け“統治”している。例えば「買い物は2日に1回、家族を代表して1人のみ」「住宅街への出入りに際して許可証を提出」などだ。

 駐在員によると「許可証がない場合は、合言葉を使うところも。うっかり許可証を持たず買い物へ行き、合言葉も忘れ、自宅に戻れなくなってしまった“難民”も出ていると聞く。また、人と人との接触を減らすための自主封鎖なのに、許可証取得の手続きに長蛇の列を作っている地域もあり、本末転倒との声も」。

 そんなストレス生活のうっ憤晴らしか、いま横行しているのが“唾液テロ”だ。至る所でツバを吐きまくる不届き者が大量に出現しているという。

「中国では、所構わずタンを吐く人がいまだ多いが、それとは全く別モノ。エレベーターのボタンやドアノブ、人混みの中など、明らかに悪意をもって人を怖がらせるため、ツバを吐きかけるんだ。武漢だけでなく、その870キロ西の重慶、北朝鮮に近い長春など、各地で同様の事件が起きていて、公安も検挙に乗り出した」と前出駐在員は明かす。

 あるツバ吐き事件の容疑者を検査したがウイルス感染者ではなく、自由を束縛されていることへの不満が犯行動機とみられる。ちなみに、その容疑者は7日間勾留され、罰金300元(約4700円)払って自由の身に。だが感染者がいたらパンデミックに拍車をかけるテロであることは明白だ。

 こうした状況に対し、中国最高指導部の中央政治局常務委員会は、お抱えメディアなどにさまざまな指示を出している。

「感染防止がうまくいっていることを報道し、医療の最前線で新型肺炎と闘う感動的な状況、エピソードをしっかり伝え、大衆の団結力を凝縮させるべき」というのがその一つ。

「以来、官製メディアの報道はイイ話ばかりに。また街中には、新型肺炎との闘いを鼓舞するスローガンが書かれた横断幕があふれるようになった」と駐在員は声を潜める。

 そのスローガンも「将来年金をどれだけ多くもらえるかは、いま外出する回数で決まる」といったシャレの利いたものから「発熱を申し出ない者はすべて人民の中に潜む階級の敵である」「外出する者は足を叩き切る、デマを言う口は歯を殴り折る」といった過激なものまで…。

 まるで北朝鮮のようだが、駐在員は「こういうのが余計、地元民のストレスをあおっている。もともと短気でキレやすい中国人はもう、暴発寸前だよ」と指摘する。前代未聞の封鎖生活は、限界に近づいている。(室橋裕和)