新型コロナで空の便に大異変 中国行き驚安「99円」 CAはマスク姿で酸素マスク実演

2020年02月12日 16時00分

 新型コロナウイルスパニックのあおりを受けて、空の便にも大きな異変が――。不特定多数の人々が海を越えて行き交う空港、閉鎖空間となる飛行機の機内を避ける動きが広がり、客足が激減している。日本から中国への便が、何と最安99円となっている。

 よく利用するタイのLCC(格安航空会社)の「ノックスクート」でさる5日、バンコクへ飛んだ40代男性が語る。

「いつも混み合う成田空港の第2ターミナルは、ガランとして寂しさすら感じた。普段うじゃうじゃいる中国人はわずかで、あそこにいた人のざっと9割以上がマスクをつけていた。空港職員やショップ店員、CA(キャビンアテンダント)が、ほぼ全員、マスク姿なんて異様」

 チェックインカウンターはガラガラで、特に中国の航空会社、中国行きの便のカウンターは並ぶ人がおらず、スタッフだけがマスク姿でたたずんでいたという。

 中国の春秋航空は成田―上海便を片道1500円、また佐賀―西安便は片道なんと99円と“投げ売り”状態。また、中国吉祥航空は成田―上海線を11日から28日まで欠航にするなど、減便の動きは今後さらに広がりそうだ。

 世界各国で中国人や中国滞在者の入国が制限される中、各航空会社も独自に搭乗制限を始めている。

「チェックイン時には、中国への渡航歴がないかパスポートを詳しく調べられた。ノックスクートの場合、過去2週間以内に中国に滞在していた人には、体調チェックなどの措置があるそうだ」と前出の男性。

 普段は行列ができストレスでしかない荷物検査は、今の時期、成田でも待ち時間なし。

「むしろ空いている検査ブースばかり。出国審査を抜けた先の免税店や飲食店は閑散としていて、空港独特の浮き立つような雰囲気はない」という。

 そして機内へ…。出迎えのCAは全員マスク着用だ。「緊急時の対応の実演でもそのままで、マスクの上から酸素マスクをつける姿がシュールだった。『体調が悪くなったらすぐに申し出て』とか、『万が一を考え機内ではできればマスク着用で過ごして』と機内アナウンスされていた」(前同)

 降機地のドンムアン空港は普段、中国から多数のLCCが発着するが今は閑散。SIMカード販売ブースの店員は「中国人がほとんど消えてしまって、風景が変わって見える。ウチの売り上げもさっぱり。困ってる」とマスク姿でボヤいていたとか。

 人口14億人を突破した中国だが、今は団体旅行禁止なのに加え、春節(旧正月)休みも終わり、国内各地が封鎖状態では、海外旅行どころではない。世界を飛び回る中国人がいなくなり、アジアを中心とした他の国でも旅行や出張は控えめ傾向だ。緊密な航空網でつながるグローバル社会が、肺炎禍で停滞しつつある。(室橋裕和)