【新型コロナウイルス】マカオのカジノ封鎖 次はカンボジアと韓国が危ない?

2020年02月05日 16時25分

カジノ営業が停止されるマカオ(ロイター)

 カジノ関連収入が世界一というマカオの賀一誠行政長官は4日、記者会見で、新型コロナウイルス感染による肺炎の拡大を防ぐため、カジノ営業を半月間、停止すると表明し、世界中のギャンブル好きを仰天させた。過去には台風による短期間閉鎖はあったが、半月に及ぶ休業は初。世界でも屈指の賭博タウンが壊滅の危機を迎え、諸外国カジノへの流入の可能性がささやかれている。

 国内の感染者が3人増えて23人になった日本では、国会でカジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業も論戦テーマに上がっている。カジノといえばアジアではマカオだが、新型コロナウイルスによる肺炎問題で非常事態を迎えた。

 マカオは香港と同様に中国の「一国二制度」の下、中国本土とは異なる政治体制で賭博が合法。人口約67万人、東京・世田谷区の半分ほどの地域に大小40軒ほどのカジノがあり、世界屈指のギャンブルタウンだ。客は賭博が禁止されている中国本土からの客が大多数を占め、マカオ政府によれば、昨年の旅行者約4000万人中、2800万人が中国人。年間総売り上げ4兆円のカジノ産業はバクチ好きの中国人が支えている。

 だが、新型肺炎は一国二制度の境界を越えて侵入し、マカオでも4日までに9人の感染者が出た。うち1人はカジノ産業関係者が使うシャトルバスに乗っていた女性従業員(29)だという。また、これに関連しているかもしれない、衝撃的な映像が拡散している。

 上海在住の日本人駐在員は「SNSでは、マカオの有名カジノのフロアを歩く従業員とみられる女性がふらついたかと思うと、客が賭けをしているテーブルに倒れこみ、床に昏倒。他のスタッフや客が助け寄る。映像の女性が今回の従業員感染者かは分からないが、カジノは密閉空間で不特定多数の人間が出入りする場所だということを思い知らされた」と語る。

 今回の措置では、カジノだけでなく関連の娯楽事業もすべて停止される。このため「風俗産業も壊滅だろう」と肩を落とすのはアジアの風俗事情に詳しいライターだ。

「マカオは“飲む、打つ、買う”の三拍子そろった男のための街。風俗ではサウナが有名。ステージにずらり並んだサウナ嬢から好みのタイプを指名する流れで、世界各国の美女が集まっている」

 風俗業界は“濃厚接触”の最前線だけあって、客もサウナ嬢も忌避するとみられる。世界有数の娯楽都市は最大の危機を迎えている。

 だが「肺炎パニック下でも一部の中国人はばくちを求める」という声も。確かに中国人は「世界一のギャンブル好き」といわれ、これまでも国内で禁止ならば海外のカジノへとなだれ込んだ。

「マカオと並び中国人に人気のカジノタウンはシンガポールだが、肺炎禍で今は中国人の入国は禁止。フィリピンも盛り上がっているが、中国人の入国を拒否する措置を出した。となると、カンボジアか韓国に殺到するのでは」(同駐在員)

 カンボジアは中国の経済援助に依存しており、南部のビーチリゾート・シアヌークビルには中国系カジノが乱立。中国人客が大挙する裏で、犯罪も多発し問題になっている。カンボジアで確認された初の感染者は武漢市からシアヌークビルに来た中国人男性。だが“チャイナマネー頼み”のカンボジア政府が中国人を入国制限する様子は今のところない。

 多数のカジノがある韓国も、中国人客のインバウンド需要が大きく、今のところ中国人の入国制限は新型肺炎の発生源となった中国・湖北省の居住者や滞在者に限っている。これらに今後、中国人客が集中すれば国際的な感染リスクはさらに高まる。