【新型肺炎対策】わずか10日で完成した武漢“絶望病院”の残酷な内情

2020年02月05日 16時00分

新型肺炎ウイルスの感染拡大が深刻な中国・湖北省武漢市(ロイター)

 新型肺炎ウイルスの感染拡大が深刻な中国・湖北省武漢市で、先月24日に着工し、わずか10日間の突貫工事で完成させた仮設病院への患者の受け入れが始まった。だが、病院の投稿動画には、おぞましい内容が。次々と運ばれてくる患者が亡くなると遺族との最後の対面もなく、直接焼却処分されるというのだ。

 衝撃証言が飛び出したのは、ある工事関係者の口からだ。

「この施設は中国人民解放軍の統制下に置かれ、ここで死亡した患者は、直接焼却炉に運ばれ処理される」

 遺族は最後の対面をする間もなく、葬られるというより処理されるというから驚きだ。

 わずか10日間の工事期間で完成したのは「火神山病院」と名付けられた医療施設で、患者1000人を収容する。中国政府の5日の発表によると、同国本土の感染者は約3000人増えて2万3000人以上、死亡は490人となっている。

 火神山病院について、中国共産党の迫害を受け、オーストラリアに亡命中の中国人女性作家ジェニファー・ゼン氏(53)は「施設の扉は外からしか開けることができない。医師は全て軍の病院から」とツイートした。

 同氏によると、完成前日に施設を無許可で撮影したある工事関係者は、その動画の中でハッキリと「患者は死んだら直接焼却炉に運ばれて処理される」と語った。

 ゼン氏は、武漢や中国各地で撮影されSNS「微博(ウェイボー)」などに投稿された動画を自身のツイッターで数多く紹介している。

 その中で、1日に武漢のある病院を訪ねた際に内部を撮影したという男性は動画で「5分間で8遺体が運び出された」と証言。その動画には、遺体を入れたと思われる複数の収納袋が無造作に置かれた様子が映っていた。もちろん武漢市内には火葬場が複数ある。だが、新型コロナウイルスの猛威により、とても間に合わないと判断したためか、病院に遺体の焼却施設を造ったようだ。

 動画はまた“野戦病院”と化した院内でベッドに横たわる患者に、防護服姿の医師らしき男性が「呼吸していない。バイタルサインが消えた。この人は死んだな」と看護師に伝える場面や、重篤患者が息苦しそうに「ああ、もうダメだ!」と叫ぶ声も入っている。

 ゼン氏によると、撮影者は「反中国勢力からカネをもらって動画を撮った」との疑いで身柄を一時拘束された。釈放後には「ありのままの状態を伝えただけ」と訴える動画を投稿し武漢市民の支持を受けているという。

 一方、感染拡大を防止するため道路網が封鎖された湖北省黄梅県の町では「封鎖を強行突破しようとした女性が当局に射殺された」とする動画もツイッターで拡散している。

 問題の動画には道路であおむきに倒れて死亡しているとみられる女性や、警察車両などが映っている。ただ、実際に女性が射殺されたかどうかは不明だ。

 他にも、ゴーストタウンのような武漢市内で撮影されたとする、3人の防護服姿の男性が拳銃や小銃を持ち、街をパトロールする姿をとらえた映像もある。さらに、武漢から来た男性が新型肺炎に感染していることを隠していたとして、江西省南昌市内の路上で男性の家族が民衆に袋叩きにされている動画もある。

 混迷する中国社会の闇を映し出す様々な映像がツイッターに投稿されている。