水道管工事で和歌山市断水パニック 全国で発生の可能性

2020年01月21日 16時05分

 和歌山市が水道管の修繕工事のため、19日夜から3日間予定していた大規模な断水は回避されたが、市からの情報が後手に回ったことで市民は大混乱に陥った。

 市は8日、同市鳴神の国道24号の交差点地下にある農業用水路内への水道水の流入を確認。1962年に使用を始めた水道管が破損したとみられ「漏水が基幹配水管からの場合、市内全域の約5分の1に当たる約3万5000世帯、約8万人を対象に最長3日間の断水をする」と16日に発表した。19日夜から掘削作業を行い、枝管からの漏水と判明。急きょ断水を中止したが、すでに16日の発表で、スーパーやドラッグストアの水は品切れとなり「市内に何もないから大阪まで買いに行ったわ」という市民も。飲食店が営業できなくなるなど、経済活動にも大きな影響を与えた。

 市民から多くの不満の声が上がったが、水道事業関係者は「漏水に気付いて1週間たってから断水を予告したのに、工事はその3日後に実施している。緊急性がある場合、国道を管轄する国交省からも工事の許可は出るはず。後手後手に回っていて、市民が怒るのも分かる」とした上で「実際のところ、掘ってみないとわからないのが実情。どこの市町村でもあり得る話です」と話す。

 厚労省によると、2016年度の全国の水道管総延長67万6500キロのうち、14・8%が40年の法定耐用年数を超えており、今後20年で更新が必要な水道管は全体の23%程度と予測される。平均的に更新するには1・14%程度の更新率が必要だが、更新率は0・75%にとどまっている。

 前出関係者は「埋設記録に沿って経年管から順次、取り換えているが、地震や土壌の性質で予定より早く劣化しているとみられ、突然漏れ出すこともある。だが、他のインフラ同様、少子化や予算削減の影響で水道事業に携わる職員、つまり直せる人が減っていて追いついていない。予算のある都心部はいいが、地方では水道料金に跳ね返る可能性もある」と語る。

 今回の騒動は決して人ごとではない。