オウム高橋容疑者 樹海に潜伏か

2012年06月13日 18時00分

 オウム真理教元信者の高橋克也容疑者(54)が、4日に勤務先の社員寮から姿を消した後の足取りがつかめていない。

 

 警視庁築地署捜査本部は、行方を追う上で有力な手掛かりになるとみて、逃走する直前に購入したキャリーバッグの写真を公開したが、いまだ有力な情報は寄せられない。

 

 警視庁元刑事で犯罪社会学者の北芝健氏は「高橋容疑者はオウムの諜報省に所属し、知略にたけている。17年も逃亡し続けているのだから、捜査の裏をかくのはお手の物」と指摘。キャリーバッグはあえて注目させるカムフラージュで、すでに捨てている可能性も高いという。

 

 また、これまでの調べでは高橋容疑者は逃走後、JRと京浜急行の川崎駅を利用した形跡がないほか、駅周辺のビルの防犯カメラにも映っていないことが確認されている。捜査本部は、川崎駅前からバスやタクシーを乗り継いで逃げた可能性があるとみている。

 

 盲点となっているのは徒歩だ。オウム事情に詳しい関係者は「オウム信者は歩くというのが基本で、習慣にもなっている」と指摘する。

 

 オウム信者は、山梨県上九一色村の教団施設から静岡県富士宮市の総本部道場までの往復約20キロをバスなどの公共機関があるにもかかわらず、自らの足で歩くのを日課としていた。

 

「国道を外れ、それこそ樹海のような獣道も平気で歩く脚力と無尽蔵のスタミナに驚いたものです。高橋容疑者も当時は下のステージ(階級)ですから、随分と歩いたでしょう」(同)

 

 北芝氏も「肉体労働していたことで体力もあり、歩きや自転車という可能性はある。表通りでなければ警察の目にもつきにくい」と推測。ひとまず徒歩で長距離を移動し、警戒の緩いエリアから電車やバスなどを利用したとすれば、捜査範囲は全く絞りきれなくなる。

 

 方位磁石が利かず、足もとられる樹海を苦としなかったオウム逃亡犯の〝フットワーク〟で、よもや勝手知ったる富士山裾野に広がる青木ケ原樹海へ潜伏していたとすれば…。