山口組と神戸山口組「特定抗争指定暴力団」に 当局の狙いとは逆に不安拡大の声も

2020年01月08日 16時00分

 思惑通りに進むのか? 銃撃事件が相次ぎ、対立が激化している指定暴力団「山口組」と「神戸山口組」の活動を厳しく制限するため、兵庫、愛知など6府県の公安委員会が、両組織を暴力団対策法に基づき「特定抗争指定暴力団」に指定したと7日付の官報で公示した。

 公安委は「警戒区域」として傘下事務所や幹部の家がある岐阜市、名古屋市、三重県桑名市、京都市、大阪市、神戸市など計10市を設定。組員らは区域内でおおむね5人以上での集合を禁じられる。事務所使用や対立組員への付きまといなども禁止され、これを破れば警察は即座に逮捕できる。

 2012年には福岡県の道仁会と九州誠道会が特定抗争指定暴力団に指定され、抗争が沈静化したとされる。警察当局は締め付けを強め勢力の弱体化を目指す。

 事情通は「山口組と神戸山口組は全国規模の組織。警戒区域内での活動が制限されれば当然、区域外に場所を移す。警察はそちらも警戒区域として追加設定するだろうが、そうなると今度は地下に潜りこんでしまう。かえって活動の実態が不透明になる可能性がある」と指摘する。

 指定により“シノギ”を縮小させる効果も期待されているが実情はどうか。

「大阪のミナミなど繁華街ではすでに、半グレ集団を利用して資金を獲得している。警察は半グレ集団の締め付けにも力を入れてはいますが、こちらにも強い規制をかけなければ効果は期待薄でしょう」(前同)

 一方、暴力団組事務所の近隣住民からはこんな声も。

「暴力団が近くにあることで、逆に安全性が確保されている部分はある。繁華街などでの抗争は多いが、組事務所を襲撃するなんてことはほとんどないから。ヤクザだからって顔見知りだし、あいさつもするしね。最近は悪質な外国人集団の犯罪も増えているし、そういうのが幅を利かせるようになると、言葉も分からないから怖い」

 市民生活に危害が及ばないように行われる指定で、かえって市民が不安に陥らなければいいが…。