「IR誘致」北海道に続き千葉市も撤退 残るは5自治体で定数割れ事態も

2020年01月08日 16時00分

 熱を帯びるかに見えたカジノを含む統合型リゾート(IR)の全国自治体による誘致合戦が、すっかり意気消沈モードになっている。IR誘致に意欲を見せていた千葉市の熊谷俊人市長は7日、準備不足を理由に誘致申請の見送りを表明した。先月の北海道に続く、誘致準備組の“撤退”となる。

 昨年、国が実施した誘致調査ではIR申請予定としたのは大阪府・市、和歌山県、長崎県の3か所で、検討中は北海道(苫小牧市、釧路市、留寿都村)、横浜市、東京都、そして千葉市の4つだった。

 昨年末、国会議員が中国企業から献金を受けていたIR汚職で特捜部のメスが入った。中国企業の標的にされ、特捜部の動きを事前に察知していた北海道は、すぐさま誘致見送りを表明していたが、千葉市も事件の影響が懸念されていた。

「自民党の白須賀貴樹衆院議員が秋元司容疑者と一緒に『500ドットコム』の本社を訪れていたことで特捜部から事情聴取を受けた。贈賄容疑で逮捕された中国企業元顧問は北海道だけでなく、千葉市も視野に入っていたようで、白須賀氏をはじめ千葉県選出の議員にも触手を伸ばしていた。シロだとしても誘致表明はあらぬ疑いをかけられかねない」(議員秘書)

 熊谷市長は「事件が起きる前から誘致しない方向性を決めていた」と影響を否定し、あくまで準備不足と県下を襲った台風被害からの復興が優先課題とした。

 大阪府・市も日本維新の会の下地幹郎衆院議員が500ドットコムからの献金が判明し、7日に離党届を提出。維新代表の松井一郎大阪市長は議員辞職を要求するなど、IR汚職の影響を払拭するのに必死だ。

 IRは来年7月末までが誘致申請の締め切りで、最初は最大3か所が選定される。現時点で残った自治体は大阪府・市、和歌山県、長崎県、横浜市、東京都の5つに絞られたが、IR疑獄が広がれば、“定数割れ”もあり得る事態になってきた。