東電・清水前社長の苦しすぎる答弁

2012年06月12日 18時00分

 国会が設置した東京電力福島原発事故調査委員会が開かれ、東電の清水正孝前社長(67)が参考人として出席。菅直人前首相(65)ら事故発生当時の官邸側が主張する東電の「撤退」を何度も否定したが、撤退騒動を招いた張本人として事故調委員から返り討ちに遭った。

 

 「原因はまさに社長(清水氏)にあった。伝え方が悪い。たったひと言、言っただけで(官邸側が)分かったという気になった。そのために現場(福島第1原発)の方々が手を休めて、テレビ会議を見る状況を招いた」(野村修也委員=弁護士)

 

 昨年3月14日から15日にかけて官邸が緊迫し、菅氏が15日早朝、東電に乗り込む事態となった撤退問題。清水氏は「撤退とは言っていない。一部を残すという大前提で『退避』と伝えた」と繰り返し、官邸の理解を得たつもりとの認識も示した。

 

 これに業を煮やしたのが野村氏で、最後は「仮に東電に撤退の意思はなかったという結論になっても、それは社長の言葉を信じたからではない。サイト(発電所)の方々の(原発を)『守る』という姿勢からだ」とダメ押し。清水氏の説明不足が、現場の作業の遅れも生じさせたと断罪した。

 

 事故調は福島第1の現場関係者への聴取から、発電所自体には撤退の意思がなかったと確信。つまるところ、清水氏ら東電本店の説明不足が混乱の原因とみている。清水氏といえば、副社長時代は広報担当で、昨年まで日本広報学会の会長でもあった。その人物のコミュニケーション問題が問われた。

 

 とはいえ、清水氏に全面撤退なのか否かの確認を求めなかった枝野幸男前官房長官(48)ら菅政権側の突っ込み不足も浮き彫りに。さらには、先月の事故調で証言した菅氏の〝二枚舌〟も指摘された。