「終活」×「婚活」バスツアーの気になる中身・本紙が密着

2019年11月14日 16時00分

前代未聞のバスツアーがスタートした

 自分の人生の最期を迎えるための準備や、理想の終わり方を考える「終活」がシニア世代を中心に注目されている。伴侶との死別、あるいは離婚、または未婚といった様々な背景で、現在独りぼっち、老後に不安を持つ人は多い。そこで、創業約26年の老舗婚活企業「結婚情報センター」が「終活×婚活バスツアー」を開催するというので、本紙が密着取材した。

 参加対象者は40~50代の一定の収入があり健康な女性と、50~60代の定職に就いている健康な男性だ。参加費は1人9600円で、この日は男女合わせて20人が参加した。

 一行がバスに乗り、最初に向かったのは東京・新宿区の新宿御苑前聖陵。どうやら終活が先のようだ。同苑は機械式の最新型納骨堂がある。専用のカードをかざすと扉が開き、墓石が現れ参拝となった。

 あらかじめ用意されている墓石に、遺骨の入った箱がセットできるようになっており、箱は苑内で管理されている棚からコンピューターによって自動的に運び出される仕組み。また、後継者がいない人には合祀施設に安置して永代供養をしてくれる。費用は90万円で分割払いも可能だ。

 次に向かったのは豊島区にある金剛院。ここでは、トウモロコシなどの天然素材で作られた骨つぼに入れて埋葬する樹木葬を行うことができる。このような葬送は自然葬と呼ばれる。墓石の管理などにかかる高額な費用が必要ないため、最近は人気が高まっている。

 51歳の参加女性は「自然葬に関心があり、この日は詳しく知るために来た」と言い、樹木葬の他にも粉砕した遺骨を海にまく海洋散骨などがあることを知り「もっといろんな場所に見に行こうと思う」と話した。

 さぁ終活ツアーの後はお待ちかねの婚活だ!

 会場は金剛院の本堂。

 男女ペアで2つずつ並べられた椅子が人数分用意され、1人3分ずつ自己紹介などを行い、男性が入れ替わる、定番のスタイル。それまでは表情が硬く、緊張気味の参加者も、「寒いからトイレが近くなりますよね」などと、この時ばかりは一番盛り上がった。

 3分間の自己紹介タイムが終わると、気になった人の名前をカードに記入し、スタッフに提出。

 イベントの最後で参加者に封筒が配られ、中に好意を持った人からのカードが入っているかもしれないというわけだ。

 別の参加女性(48)は楽しげに会話をしていた同い年の男性とマッチングに成功。「マッチングしました。これから2人でご飯行きます」とうれしそうに話した。

 今回のイベントを主催した(株)結婚情報センター代表取締役社長の須野田珠美氏は夫を亡くして自身も婚活中だという。

「独りになって初めて、人として生まれたからにはパートナーと最後まで添い遂げたいと思った。精神的な支えや生きがいがある方がいいと思う。シニアの婚活では年金などの話が必ず出てくる。そういう話も気軽に話し合えるパートナーを見つけてほしい」と話した。

 婚活にして終活も兼ねたこのイベント。学びながら交流できる場として、出会いや自分の将来を考えるいい機会になった。