中国の公共交通機関“野蛮”行為「禁止法」効果は?まずは「地下鉄改革」に着手

2019年11月06日 16時00分

 中国の公共交通機関でのマナー違反が、とんでもないレベルに達している。先月末、「都市軌道交通旅客運輸組織・サービス管理弁法」が交通運輸部から発表され、来年4月に施行される中国。都市軌道交通とは地下鉄のことで、同法は車内における“野蛮な行為”を全国的に禁じる法律だ。喫煙や飛び込み乗車など禁止行為は多岐にわたるが、地下鉄どころではないルール違反が旅客機を舞台に起こり、騒動になっている。

 10月29日に承認された都市軌道交通旅客運輸組織・サービス管理弁法では、これまで各地域が独自に定めていた乗客の行為の規範について、初めて中国全土において明文化され来年4月から施行されることになった。

 こうした規制が始まるのも無理もない。

「寝そべって座席を独占したり、恥ずかしがることもなく飲み食いしたりする人も多い。平気でツバを吐く、ゴミを置いていくなどもあり、たばこをふかす人までいますからね」(今年中国旅行した日本人女性)

 こうした行為が野蛮とされ、禁止されるほか、電子機器の音声を出して利用する行為(主にスマホ)や飲食、セグウェイやスケートボードなどの使用などは「注意すべき」とした。

 中国のネット上では先月末、地下鉄内で男児が立ちションしたことが騒動になった。

 乗客が撮影し、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」で拡散したためだ。車内での放尿はあまりに論外すぎて法律で定めるまでもないのだろうが、中国でもSNSの普及によって非常識な行為が議論されるようになってきた。

 SNSといえば、日本ではツイッターなどのSNSで“バカッター”が社会問題になった。自らの犯罪行為や愚かな行為をさらけ出す投稿では、アルバイト店員の投稿で店が潰れたり、威力業務妨害容疑や公然わいせつ容疑で逮捕者も出るなど、深刻になった。

 そんな中、中国のバカッターで現在、最も大きな騒動になっているのが、公共交通機関での“マナー違反”だ。何百人の命に関わるものだけに大問題に違いない。

 問題の写真は今月3日、ウェイボーにある女性が写真を投稿し、全土に拡散した。写真には、旅客機のコックピットで操縦席に座った若い女性がピースサインをしている。

 中国人ジャーナリストの周来友氏は「写真は民間航空会社の桂林航空のコックピットで撮影されたものだったようですが、信じられないことに、この写真が撮影された時、旅客機は乗客を乗せ飛行中だったのです。写真の下にはこの女性の書き込みもあり『機長さんありがとう!』という言葉が並んでいました。状況から、機長と知り合いだった女性が、飛行中の旅客機のコックピットに招かれ、操縦席に座って記念写真を撮ったことが分かります」と語る。

 この写真が公になると、桂林航空の関係者がメディアに「たとえ飛行中でなくても無関係の人をコックピットに入れることは法律で禁止されている。当局は今回の事件を重く見ており、厳しい処罰が言い渡されることになるだろう」とコメントを出した。この機長は職務停止命令を言い渡された。

 周氏は「2018年7月には、中国東海航空でも同様の事件が起きています。機長が自身の家族を3回もコックピットに入れていたのです。この時も職務停止や罰金刑などが言い渡されましたが、乗客の命にも関わるような行為は二度としないでもらいたいものです」と話している。

 日本など海外でも中国人のマナーの悪さはたびたび話題になるが、習近平国家主席ら政権上層部は「国民の総合的な民度を高める」方針だ。“地下鉄改革”で名実ともに世界第2位の経済大国となるか。