台風19号の被害「奇跡的」に免れた羽生の田んぼから無事コメ収穫

2019年11月05日 16時00分

 冬季五輪のフィギュアスケート男子の2大会連続金メダリスト・羽生結弦(24=ANA)を描いた宮城県角田市の田んぼアートが、台風19号の被害を免れ、無事収穫された。すぐ近くの道路が冠水する中、難を逃れたのは「奇跡的だ」と担当者は喜ぶ。

「(被害がなかったのは)羽生選手の力かもしれない」。地元有志の「西根田んぼアートを楽しむ会」事務局目黒輝芳さん(74)は、そう言って笑顔を見せた。市内の各地で冠水や土砂崩れが発生し、被災した農地もあるが、優雅に演技する羽生が描かれた約50アールの田んぼはそのまま残っていた。田んぼの持ち主菊地澄子さん(64)は、自宅の裏山が崩れて2部屋に土砂が入り、片付けや稲刈りで多忙な毎日だ。収穫されたコメは、一部がふるさと納税の返礼品になる。「お米を食べて、角田市のことを知り、訪れてくれたらうれしい」と話した。

 10月まで公開されていた田んぼアート。約50アールの水田に8種類の稲を使って、優雅に演技する羽生を表現した。同市の地域おこし協力隊などが企画した。高さ約15メートルの展望台から見渡すことができる。海外からもファンが訪れ、角田市がバスを特別運行するほど盛況となっていた。

 水田が収穫期を迎えたタイミングで、東北地方は台風19号の猛威に襲われた。角田市では約2800人が参加予定だった阿武隈リバーサイドマラソンが中止になるなど、紅葉に合わせたイベントにも影響が及んだ。

 田んぼアートは2007年から行われており、今年のテーマは「未来への希望」だったが、それを象徴するかのような収穫となった。