キャッシュレス化促進が逆効果!?レジ大渋滞 やること多すぎる…担当者が悲鳴

2019年10月03日 16時00分

 九州を中心に薬局チェーン「ドラッグイレブン」を展開するJR九州ドラッグイレブン(福岡県大野城市)は2日、1日の消費税増税に合わせて値引きした特売商品について、一部店舗でレジのデータ設定を誤り、通常価格で会計していたと発表した。このように全国でシステム障害や打ち間違いなど、税率の誤計算が相次いでいる。トラブルはいずれ落ち着きそうだが、問題なのはキャッシュレス化促進によるポイント集め合戦だ。レジの作業が遅延化し、なんとも非効率な状況になっている。

 同社によると、ミスがあったのは九州7県と沖縄県にある計154店舗。1日午前7時ごろから12時間にわたり、特売のおむつや菓子など計420商品を会計した1046件が該当し、店舗側は計4万6117円(1会計当たり1~527円)多く受け取っていたという。

 今回の増税で政府には税収増だけでなく、キャッシュレス化を一気に進める狙いがある。「キャッシュレスポイント還元事業」が同時にスタートし、中小・小規模事業者の店舗では、各種クレジットカードや交通系ICのほかに「Pay Pay」や「楽天ペイ」「LINE Pay」などに代表されるQRコードやバーコードを使ったスマホ決済が、ポイント還元の対象になる。

 これを契機にスマホ決済を始める人も多い。ただ、スマホを使い慣れていない高齢者やデジタル音痴族にはくせものだ。なんとか導入しても使用時に手順がうまくいかなかったり、通信障害、読み込み不良などプチトラブルが多発し、レジがストップしてしまうからだ。

 昨今、レジのオペレーションは煩雑を極め、担当者の悲鳴の声が多く聞かれる。各会社でポイントキャンペーンが展開され、いまや2重、3重取りは当たり前。中には5重取り以上の方法も紹介されている。

 例えば、あるスーパーで客がレジで支払いするときの手順として紹介されているのは――。

 株主カード提示(ポイント還元)→スマホの買い物アプリ提示(割引&ポイント還元)→紙の割引クーポン提示(割引)→駐車券提示(駐車場サービス割引)→スマホ決済(ポイント還元)と、品目をレジに打ち込む作業以外に5つも別の工程がある。

 今回の増税では、軽減税率も導入され、品目によってはテークアウトの有無を確認しなくてはいけない。店によっては独自のスタンプカードサービスやクーポン券やチケットの配布もある。

 客側が一部の子育て世帯などを対象としたプレミアム付き商品券や金券で料金の一部を支払ったり、残高不足で現金やスマホ決済でチャージするケースもある。「●×のポイントカードをお持ちですか?」と尋ねられ、スマホの中のアプリを探し、財布の中をひっくり返す客も頻発している。

 政府は20%程度とみられるキャッシュレス決済の比率を2025年までに40%、さらにその先には80%を目指すとしているが、現金にこだわる人もまだまだ多い。乱立する決済サービスも収束するには相当な時間がかかる。結局、ポイントサービスの商慣習が広まっている日本では、アナログ的な側面が残り、中途半端な形でキャッシュレス派と現金派が混在する状況が続く。「キャッシュレスの方が迅速&効率的」というのはまだまだ先の話で、レジで待たされる時間は長くなるばかりだ。