100年走った電車が7月引退後カフェに 箱根の山を登り続けた車両を間近に

2019年09月26日 16時00分

実際の電車の内部が店舗になっている

 2か月前まで「箱根登山鉄道」(小田原~強羅駅間)で走っていた電車を使ったカフェが大人気だ。「鈴廣かまぼこの里」(神奈川県小田原市)内にある「えれんなごっそ CAFE107」だ。

 このカフェに展示されているのが、7月19日に同鉄道を引退したばかりの「モハ1形107号」。カフェと車両の間には、駅をイメージした装いのテラスがあり、高原の駅に降り立ったような感じがする。

 メニューは、かまぼこ店ならではの「かまぼこサンドウイッチ」(500円)や「かまぼこピンチョス」(500円)、「ちくわパン」(350円)などがある。同社が手がける地ビール「箱根ビール」(450~650円)もある。

 モハ1形107号は、1919年に「日本車輌製造」によって製造され、大正、昭和、平成、令和にかけて100年近く走り続けてきた車両。7月19日にはモハ1形107号と連結されて2両編成で走っていた「モハ1形103号」とともにさよなら運転が行われた。

 箱根登山鉄道は、急勾配が続く箱根の山をスイッチバック(ジグザグ運転)しながら登っていく。足回りも独特で、レール圧着式の保安ブレーキが採用されており、摩擦を軽減させるために線路に水をまくための散水装置もつけられている。

 箱根町に勤務する吉田直哉さんは「この車両の魅力は、走行時に独特のうなり音を上げながら、ツリカケ駆動方式(モーターから車輪に動力を伝達する古典的な方式)で走るところ。轟音で箱根の山を登るときは圧巻です。エアコンが効いている車が多いですけど、この車にはついていないんですよね。夏なんか窓全開で走るのも良かったです」と語る。

 なお「えれんなごっそ」の「えれんな」は、小田原弁で「いろいろな」、「ごっそ」は「ごちそう」を意味している。