「秘密のアドレス教えます」そのかわり…漫画村“便乗詐欺”にご用心

2019年09月18日 16時00分

 集英社など大手出版社4社が17日までに、人気漫画を無断公開した海賊版サイト「漫画村」(閉鎖)のクローンサイトの運営者に対し、著作権侵害の停止や損害賠償を求める訴えを米ニューヨーク連邦地裁に起こした。クローンサイトは漫画村の元運営者の星野路実容疑者の名前をもじっており、9万3000冊以上の漫画を掲載。現時点でアクセスできなくなっているが…。

 漫画村は2017年夏ごろから広まった。大量の漫画を無料で読めることから、たくさんの人がアクセスしていた。広告料は莫大な額になったと思われるが閉鎖となり、今年7月にフィリピンで星野容疑者が拘束。協力したとされる関係者も逮捕されている。

 今回問題となったクローンサイトは、星野容疑者の名前を冠した「hoshinoromi.org」など。本当に漫画村のクローンなのか。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「漫画村の関係者がかかわっていることは考えられる」と指摘し「捜査など何かがあったときのために、漫画のデータが保存されているサーバーをサブでもう一つ持っていたのでしょう。それを使ってクローンサイトを始めたと。サブのサーバーはいくつかあるはずなので、またクローンサイトはできる。イタチごっこです」と話している。

 ネットを中心に漫画村やクローンサイトがなくなったことを嘆く声もある。そんな願望につけ入る便乗詐欺も起きている。

 ツイッターでは「漫画村に代わる無料漫画サイト教えます。詳しくはDMで」という内容の書き込みがいくつも見つかる。SNSでのDMとは、ダイレクトメッセージの略で、送信者と受信者だけが見ることができる非公開のメッセージのやりとりのこと。そうなんだ!と連絡を取るのはよした方がいい。詐欺の可能性が高いからだ。

「『秘密のアドレスを教えます』といって対価にアマゾンギフト券やiTunesカードの番号を要求される詐欺が横行しています。この“アマギフ”を使った犯罪はメジャーで、何か話題があるとこうして便乗する書き込みが増えます」(井上氏)

 もちろんアマギフの番号を教えても情報は得られない。教え損で終わってしまうだろう。漫画村便乗詐欺の相場はアマギフ1500円といったところ。少額であるところがミソだ。

「アマゾンギフト券はコンビニで24時間買えるので時間を選ばない。番号をネットでやりとりするだけなので手軽に詐欺ができる。口座を使わないので加害者も被害者も安心感があります。また、少額なのでだまされた方も訴えないことが多く、露見しにくい。薄利多売の詐欺です」(同)

 この手の誘いにだまされる人なんていないだろうと思うだろうが、いるから書き込みがあるわけだ。

「1500円でもだまされる人が1万人なら1500万円になるという意識でやっているのです。実績があるからなくならない」と井上氏。漫画村の件に限らず、ネット上でアマギフの番号を対価に求められたら立ち止まって考えたほうがいい。