お盆に!東北自動車道・佐野SAスト内情 運営会社社長の悪評

2019年08月15日 16時00分

従業員一同による経営陣の退陣を求める貼り紙

 お盆真っ最中に大騒動だ! 帰省中のマイカーで混雑する東北自動車道。その上り線にある「佐野サービスエリア(SA)」(栃木県佐野市)のレストランなどが14日、運営会社の従業員たちによる“ストライキ”で営業休止となった。現場には「社長の経営方針にはついていけません」「解雇された部長と支配人の復職と、経営陣の退陣を求めます」との貼り紙が残されていた。佐野ラーメンを提供する人気SAで、この時期は一年でも特に人が訪れる書き入れ時のはず。いったい何が起きたというのか――。

 本来なら人でにぎわっているはずのSAなのに、売店もレストランも明かりがつかず暗いまま。ガラ~ンとし、まるで時が止まったかのよう。残された貼り紙には運営会社ケイセイ・フーズへの要求を突きつける従業員一同の声明が書かれていた。なんと“ストライキ”が行われていたのだ。

 本紙は同社の関係者をキャッチ、ストに至る背景を聞くことができた。「6月に銀行からケイセイ・フーズに新規融資凍結が申し渡されたと情報が流れました。労使間交渉でも話題になり、経営陣がこれを認めたのです。この情報は納品業者に漏れ、7月下旬からモノが入ってこなくなりました」

 納品業者からすると、モノを納品しても支払いがなされない不安があった。これにより上り線の佐野SAの売店から商品がなくなる事態に。8月になってケイセイ・フーズは資金の入金があったら速やかに納品業者に支払うとの覚書を作成。また商品が並ぶようになった。

 しかし、数日後に同社社長が覚書を不満とし、同社総務部長に対応を指示。それでもどうにもならないと分かると、13日に総務部長に対して解雇を言い渡したという。

 従業員一同の声明には「解雇された部長」との記述があり、それはこの総務部長のことである。

「部長が解雇されたことで、従業員の中から『私も辞めます』という人が出てきた。売店だけでなく、レストランからもそういう声が出て、さらに『営業を止めよう!』という話になったのです」(前出の同社関係者)

 従業員らで片付け作業に入り、14日未明にSAを閉鎖。従業員らは「おなかが痛いので休む」という名目で14日の出勤を取りやめた。参加人数は40~50人。当面の目標は「部長の不当解雇撤回」だという。

「予想では14日午前中に解雇が撤回されて終わる話だと思ってました。しかし、会社からは14日夜になっても撤回がないと聞いています。従業員たちも本当は出社したいのに、できずに困っています」(前同)という。

 事態の収束は社長の決断にかかっているが、なかなか個性的な人物のようだ。

「5月に親会社の建設会社から来ました。『取引先には頭を下げるな』という人で、従業員が取引先に『お疲れさまです』とあいさつすることにも怒るのです。また、資金繰りに大変なはずの7月に、ライザップの大会に出場していて、みなをあきれさせました」(同)

 銀行からの融資凍結を不安がる納品業者に対して「業者ごときが社長に向かって!」と言ったこともあるという。

 ケイセイ・フーズに話を聞こうと電話取材を試みたが誰も出なかった。

 ケイセイ・フーズにSA運営を委託するNEXCO東日本は「営業再開の見通しは立っていません。一日も早く再開したいが、なかなか担当者と連絡がつかない」と大弱り。現在、上り線の佐野SAで利用可能なのは駐車場、トイレ、ガソリンスタンドで、屋台形式のケータリングカーで食事をすることはできる。

 また、階段で下り線のSAと行き来が可能。上下間にあるホテルも営業中だ。今後の展望はどうなるのか。

 前出の関係者は「部長の解雇撤回の後に新しい運営会社で従業員を雇ってもらって、納品業者への支払いを引き継ぐのが従業員らの理想といいます。ただ、そんなに甘くはないでしょう。ケイセイ・フーズは、今月末を乗り切れるかどうかだと思います」と指摘。

 高速道路は14、15日、お盆のUターンラッシュのピークで上り線は大混雑。丸く収まって、佐野ラーメンを提供してもらいたいものだが…。