4日午後7時23分に、福島県沖でマグニチュード(M)6・4の地震が起きた。その直前、空に一直線の帯が現れる現象が全国各地で見られ「地震の予兆だったのでは?」と話題になっている。

 雲が割れ、西の空から東に青い帯が伸びる光景が見られたのは4日午後6~7時ごろ。神奈川・横浜や三重、大阪などで確認され、SNS上では「不気味」「何も起きなければいいけど」などと心配の声が上がった。

 その直後、福島県双葉町で震度5弱、宮城、茨城、栃木で震度4を観測する地震が起きたため、「帯の先の方角で地震が起きた」「地震の前触れだったのでは」と、さらに不安が広がった。

 結果的に、これは地震とはつながりのない自然現象だった。気象関係者は「夏場の早朝や夕暮れ、気象条件が揃ったときに見られる反薄明光線という現象です」と説明する。

 震源の方向(東)に帯が伸びたのは「太陽が低いとき、大気中の微粒子(水滴)に当たり、その光が雲に隠れ、太陽の反対方向に影が伸びるからです」という。

 反薄明光線は一般的には“後光が差す”との言葉で知られる後光の逆で「裏後光」とも呼ばれる。地震の予兆ではないことが分かり、ひと安心だが、科学的に解明されていない地震雲を信じる人も多い。

 民間研究者は「地震発生前には断層に巨大な圧力がかかり、電磁波と磁場が発生し、気体分子をイオン化させ、雲が発生するというのが基本の考え方。公的機関は認めないが、さまざまなデータが証明している」。

 気象現象のほか、動物の異常行動など、昔からの言い伝えもあり、まだまだ解明の余地はありそうだ。