五輪招致の切り札は堤義明氏?

2013年06月08日 16時00分

 最後の切り札か。4日の日本オリンピック委員会(JOC)理事会で、堤義明元会長(79)が最高顧問に就任することが了承された。アマチュアスポーツを牛耳った超大物に再び肩書がつく。終盤に差し掛かった2020年五輪招致レースを東京が勝ち抜くために、周囲が再登場を願った。

 堤氏の就任は、JOC名誉委員の総意を受けて上田宗良・名誉委員懇談会代表幹事がJOCに要望書を提出。本人も内諾し、それを受けて理事会が就任を決めた。上田氏は「ずっと以前からやっていた」と、堤氏担ぎ出しが、かねての希望だったことを明かす。

 もちろん、周囲の期待は20年五輪開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)委員にも及ぶ堤氏の人脈。「国際アイスホッケー連盟のファゼル会長や国際スキー連盟のカスパー会長はIOC委員で、堤さんとは親しい。五輪招致でも影響力を発揮できる」と語るのは、元JOC専務理事の遅塚研一氏だ。

 西武グループの総帥として権勢を振るい、初代JOC会長のほか、日本アイスホッケー連盟と全日本スキー連盟の会長も務めた堤氏。有価証券報告書の虚偽記載で証券取引法違反の有罪判決を受けると、09年秋に4年の執行猶予期間が終わった後も動静が途絶えた。11年夏に日本体育協会とJOCの100周年行事に姿を見せたほか、最近は西武と米国のファンドによる株式争奪戦で名前が出たぐらいしか話題になっていない。

 五輪招致活動も「ご本人は表立ってはやりたくない」(上田氏)意向が当初はあった。「石原さん(前都知事)とはパイプが太いけれど、今の猪瀬知事とはそれほどではない」(遅塚氏)こともあってか、表舞台に出ることはなかった。

 東京への投票を頼むことは個人的にもできる。しかし、開催都市決定の9月7日が近づき「追い込みの段階では肩書があった方がいい」(上田氏)ということで、パイプの細い東京招致委員会よりは、かつて会長だったJOCの最高顧問ということに落ち着いた。「国際的ビッグネーム」(上田氏)は何票呼び込めるのか。