小池百合子東京都知事が24日、東京2020五輪・パラリンピックのカウントダウンイベントに出席した。

 競技大会のオフィシャルタイムキーパーを務める世界的時計メーカー・オメガが東京駅前に「カウントダウンクロック」を設置した。高さ約4メートルのクロックは片面で五輪の競技大会開始を、もう片面でパラリンピック開始をカウントダウンする。デザインは昇り来る朝日をイメージしているという。

 イベントには小池氏との関係が良くないとされる森喜朗・大会組織委員会会長も来場。森氏はあいさつで「経費削減もあり、大宮でバスケ競技を、静岡で自転車競技を、千葉の幕張では3競技をやります。こんな立派な時計でなくていいから、大宮などにもあったら」とおねだり。さらに「私は貧しいのでオメガの時計はしたことなかったが、今日のために借りてきました」とアピールして場を和ませた。

 一方の小池氏は「チケットの販売や聖火ランナーの募集で機運が盛り上がりつつある。今日の涼しさを来年まで取っておきたいが、暑さ対策をしていきたい」と述べた。このスピーチに森氏は気のない拍手をしていた。

 2人の距離感はフォトセッションにも反映されたのか、並び立つことはなかった。イベント終了直後に2人の握手シーンもあったが、そっけなさを感じた。

 永田町関係者は「小池都知事の任期は来年7月30日まで。それまでに選挙があるが、小池氏と自民党東京都連はいまだ和解していない」と指摘。自民党の二階俊博幹事長は小池氏寄りだが、都連は対抗馬を立てる方針を決めている。

 このままなら、東京都と組織委のトップ2人の距離が微妙なまま、五輪本番を迎えることになりそうだ。