生き証人が語った軍艦島「徴用工」のウソ 反日シンボル映画のデタラメ

2019年06月15日 16時00分

多くの観光客が訪れている軍艦島

 2015年、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録された軍艦島(端島炭坑=長崎市)の観光クルーズが、相変わらず人気だ。だが、そのムードを台無しにする動きが、韓国で湧き上がっている。きっかけとなったのは、17年に韓国で公開された「軍艦島」という映画。“強制労働”させられていた朝鮮人が「“地獄島”から決死の脱出を試みる物語」との触れ込みで、韓国では軍艦島が反日のシンボルとなっているが、映画のデタラメぶりを元島民が本紙に語った。

 韓国側は軍艦島が世界遺産に登録された際にも「自国民が強制労働させれた施設がある」と猛反発していた。さらに反日感情が高まるきっかけとなったのが映画「軍艦島」(リュ・スンワン監督)。物語は、第2次世界大戦末期の1945年が舞台だ。軍艦島で働かされていた朝鮮人徴用工が賃金搾取や拷問を受けていたことを隠すため、日本人が朝鮮人を坑道に閉じ込め、爆破しようとする。これを察知した朝鮮人徴用工400人余りが、命がけで“地獄島”からの脱出を図るというもの。

 韓国は「歴史的事実からインスピレーションを受けて制作された映画」「軍艦島で過酷な条件下で強制労働させられたのは事実」としており、この映画を見た韓国人は、一連の徴用工問題と同様に、軍艦島での炭鉱労働について、謝罪と損害賠償を求める論調になっている。これに対し、日本国内では、誤った歴史認識に異を唱える動きが活発化している。

 7月2日には、軍艦島の元島民らがジュネーブの国連欧州本部で行われるシンポジウムで、韓国側の主張に反論することが決まった。元島民らは「朝鮮人労働者は運命共同体であり、日本人も朝鮮人もみんな仲良くしていた」と事実を訴える予定だ。

 端島炭鉱の炭坑夫を父に持ち、かつて軍艦島に住んでいたことがある80代の女性は、本紙にこう明かす。

「私が小さいころの話です。風呂場に行くと、朝鮮の方から来ている人たちの何人かが正座させられ、棒のようなもので叩かれていました。頭を押さえられて、湯船に顔を突っ込まれていた人もいます。炭鉱で働いている人たちは、仕事が終わるとすぐに風呂に入るのですが、仕事をしているときに何かあったのでしょう。でも、同じようなことは日本人炭鉱夫に対しても普通にやっていました。今、韓国で問題になっているようなことが、このようなものを拡大解釈していたとしたら怖いですね」

 また、軍艦島で暮らしていた人によると、朝鮮半島から来た人々は、集合住宅の最下層部に暮らしていた。そこは、日の当たらない部屋だったことから、韓国では劣悪な住環境の“タコ部屋”と捉えているようだ。だが、事情は違う。

「島の住環境を考えたとき、このような考え方には賛成できません。新しく島に入ってきた人たちは、空いている部屋を使っていました。管理上の問題もあって、この部屋が使われていたのかもしれません。食堂もすぐ近くだったので、決して劣悪な環境ではなかったと思いますよ」と同女性は話している。

 もともと、軍艦島は岩礁を埋め立てて造られており、狭い土地に集合住宅が並ぶ。住む場所自体が少ないのだ。まず、日本人労働者が軍艦島に移住し、その後、朝鮮人労働者が移住。先着順だったため、空いていたのは条件の悪い部屋だったというわけだ。

 長年“強制労働”問題が解決されることのない軍艦島だが、7月の国連のシンポジウムでは、客観的な歴史的事実が世界に発信されそうだ。

「朝鮮人を意図的に危険で劣悪な作業に配置したという通説は事実と異なる」と結論づけた論文を書いている韓国・落星台経済研究所の李宇衍研究員も登壇する。

 今こそ誤解をなくし、史実を伝えていく必要がある。