中国のユニクロでTシャツ争奪戦 殴り合ってでも客が欲しがるワケ

2019年06月07日 16時00分

 ファーストリテイリングが運営する衣料品店「ユニクロ」が、中国で今週販売を始めたTシャツの売り切れが続出し、客同士が殴り合うなどして“争奪戦”に発展した。インターネット上では定価より高値で売られており、背景には人気を当て込んだ“転売ヤー”こと転売屋の存在も指摘されている。

 Tシャツはユニクロと米ニューヨークを拠点とする著名アーティスト「KAWS(カウズ)」とのコラボ商品。3日の販売開始後、売り切れる店舗が続出した。

 ネット上の動画によると、開店前から並んでいた客が猛ダッシュでTシャツ売り場へ向かったり、マネキンからTシャツを脱がせたりした。開店前にシャッターを押し上げ侵入する者や、店舗外で殴り合う客もいた。

 中国メディアなどによると、キャラクターの目をバツ印にするなどしたKAWSの作品は中国で人気が高い。今回、定価99元(約1550円)のTシャツがネット上で159元で売られている。

 6日、上海中心部の店舗では午前10時の開店前から100人以上が並んだ。「割り込むな!」などと怒号が飛び、大量のTシャツを抱えた客の姿もあった。

 中国人ジャーナリストの周来友氏は「高額で転売できると考えた転売ヤーの争奪戦がすごいんです。ある商品販売サイトでは2万円で販売しているケースもあります」と語る。

 中国の転売ヤーのすごさは、日本でもたびたび話題になる。毎年正月、家電量販店やデパートの福袋を買い占める中国人団体はもはや風物詩となっている。昨年、人気ファッションブランド「Supreme(シュプリーム)」の限定商品を買うために並んでいた中国人ら十数人が警備員を暴行し、約半数が逮捕された。

 このTシャツは日本でも7日から販売されたが、周氏は「在日中国人が多く利用するSNSのグループチャットなどでも、さっそく転売ヤーが、列に並ぶアルバイトを募集しています。日本で殴り合いの騒動にならなければいいのですが」と話している。