スカイツリーの足元に〝ナマポ〟アパート

2012年06月03日 18時00分

 東京スカイツリーの近くに〝ナマポアパート〟があった。華やかな動向がメディアで連日伝えられるスカイツリーだが、麓に目を向けてみれば、貧困にあえぐ人々の姿がある。生活保護(ネット用語でナマポ)費を受給する者、仕事のために不法滞在外国人を雇う者…。スカイツリーの足元を改めて調査した。

 

 

 観光客はツリーに隣接するソラマチと浅草に利益をもたらすのみで、地元商店街にさほどの特需はない。そんなツリーの最寄り駅から3駅以内の墨田区の地域に、生活保護受給者だけが入居する2階建てアパートがある。6部屋に60歳以上の高齢者が単身で住んでいる。「福祉(生活保護)は10年前からもらっている」という2階の男性住人A氏(77)は建設作業員として働いてきたが、仕事がなくなって生活保護に頼った。


 そのA氏は「俺の下の部屋に3人住んでたけど、みんな死んだ。今は4人目。部屋の中で死んだのもいれば、親の遺産が入って貧乏生活を脱出したけど、金を酒に変えて体壊して死んだのもいた」と淡々と話す。いわくつきの〝下の部屋〟の住人は「何も話すことはない」と薄いドアを通して取材拒否。別の部屋の男性B氏(72)は銀座のクラブなどでピアノの生演奏をして生計を立ててきたが、カラオケ導入後、路頭に迷った。「家賃は5万円弱。見た目も正直ボロいでしょ? 保証人がいらないから、福祉もらってると不動産からここ紹介されるんですよ」とB氏。


 アパートの窓から華やかなツリーが見えるが、ここはにぎわいとは全く別世界だ。すぐ近くには、小さな皮革工場がひしめく一帯がある。このあたりではオーバーステイ(不法残留)の外国人雇用が長らく問題にされている。地元の職人は「キツイ、汚いが当然の仕事だから、日本の若いヤツはやりたがらない。だから外国人を雇うんだ。その多くが不法残留だよ」と話す。今や日本の工業技術は不法労働者によって支えられている。