「仁徳天皇陵古墳」令和初の世界遺産 一部改称で学会では異論噴出も

2019年05月14日 16時10分

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関は13日、日本最大の前方後円墳「仁徳天皇陵古墳」(大山古墳、堺市)を含む大阪府南部の「百舌鳥・古市古墳群」を世界文化遺産に登録するよう勧告した。全49基の古墳が対象で、文化庁が14日未明、発表した。

 6月30日~7月10日にアゼルバイジャンで開かれるユネスコ世界遺産委員会で正式に決まる見通しで、天皇や皇族が葬られた「陵墓」が世界遺産になるのは初めて。令和に入り、最初の世界遺産となる。登録されれば、日本の世界遺産は文化19、自然4の計23件となる。文化遺産の登録は、2013年の「富士山」以降7年連続。

 古墳群は4世紀後半から5世紀後半までに築造された49基で構成。墳丘の長さ486メートルで「世界最大級の墳墓」とも呼ばれる仁徳天皇陵古墳をはじめ、425メートルの前方後円墳「応神天皇陵古墳」(誉田御廟山=こんだごびょうやま=古墳、羽曳野市)から数十メートル規模の円墳まである。一部は国史跡として保護し、陵墓などは宮内庁が保全管理している。政府は、巨大古墳を含め、形や大きさも多彩な墳墓が集中して残る世界的にもまれな事例だと強調。「墳墓が権力を象徴した時代の政治・文化を伝える物証」として18年、ユネスコに推薦した。

 世界遺産委は21か国の代表が協議して登録の可否を決めるが、諮問機関の勧告を尊重するのが通例となっている。

 仁徳天皇陵古墳など一部の名称を巡っては、被葬者が特定できていないとして学会などに異論もあるが、推薦書は宮内庁が陵墓として管理していることを踏まえ「天皇陵古墳」と表記した。

 07年9月、大阪府など4自治体が「百舌鳥・古市古墳群」の世界文化遺産登録を文化庁に提案し、10年11月にユネスコの暫定リストに記載された。17年7月に国の文化審議会が国内候補とすることを決定し、18年の政府推薦書の提出を経て、同年9月、ユネスコ諮問機関が現地調査していた。