富士フイルムがフィルムを3割値上げ 今や1本800円“絶滅危惧種”の生きる道

2019年05月10日 16時00分

 富士フイルムが9日、写真フィルム製品を6月1日から30%以上値上げすると発表したことに、愛好家が嘆いている。店頭参考価格950円前後の「写ルンです」も含まれ、1200円前後になる見込み。発色材などの原材料や、物流費が高騰したことが原因としている。国内の写真フィルムのシェアは同社が約9割を握っており、フィルム愛好家への影響は大きそうだ。

 今ではデジタルが主流となっているが、独特の質感に魅せられてフィルムにこだわる人たちもいる。愛好家の男性フリーカメラマンは「以前からどんどん値上がりし続けていました。1本300円ほどだったのが、最近では800円くらい。多くのフィルム仲間がデジタルに切り替えていきましたね」と話した。

 フィルムを取り巻く環境は厳しい。現像できるところは少なくなり、カラーとなると手間もカネもかかる。現像した際に出る廃液は流して捨てることができず処理が大変。印画紙も種類が減り、価格が上がっている。

 ネガの管理も大変で、「カラーはバクテリアによる虫食いに注意しないといけない。デジタルアーカイブ化して保存している人がほとんどでしょう」(前同)。値上げを前に買いだめしようにも有効期限があるので難しい。また、フィルムが使われる場面もほとんどなくなった。

「事件現場の証拠写真には改ざんできないフィルムが使われていましたが、今では改ざんできないようにしたデジタルカメラが登場して、フィルムが使われなくなりました。出版社などメディアに写真を持ち込む際もデジタルを指定されますね」(同)

 もはや絶滅危惧種なわけだ。「若い人の間でフィルムが見直されていますが、あくまで趣味。あとはお金に余裕のある有名写真家がフィルムを使い続けるくらいになるでしょう」とフリーカメラマンは嘆く。

 だが、カラーよりも手間がかからないモノクロフィルムに力を入れている海外メーカーがあったりと、細々とは続いていきそうだ。