入れ墨界の巨匠がタトゥー問題を斬る

2012年06月01日 18時00分

 入れ墨の美学が変わった? 大阪市の橋下徹市長による職員調査問題で関心が集まる入れ墨は、海外でも魅せられる人が少なくない。日本外国特派員協会で先日催されたイベントで作品を披露した有名彫り師・三代目彫よし師(66)が、世の中の入れ墨観の変化を指摘した。

 

 「しょうがないといえばしょうがない。やる必要がないといえば、ない。入れ墨は個人の趣味だけれど、社会的な立場のある人がすることには、どうかという部分もある。私としては何とも言えない」

 

 大阪市職員への調査については、賛成も反対もしなかった彫よし師。調査は、児童に入れ墨を見せた福祉施設職員の存在が発覚したことがきっかけといわれる。子供にわざわざ見せるかどうかはともかく、腕などからのぞける入れ墨を施した一般市民も珍しくない。こうした現状の背景には、入れ墨に対する人々の意識の変化があるという。

 

「昔の人は隠しているのが当たり前だった。隠しているからこそ美しいということもある。そうした『隠す美学』より、今は『見せる美学』になっている。ピアスやネイルなどのスーパー延長線上に、入れ墨がある」

 

 五輪が開催されるロンドンで今年は個展が開かれるなど、「海外では神様のような存在」(女性ファン)の彫よし師。特派員協会では「タトゥー・ナイト」と銘打たれたイベントで、入れ墨の歴史を語り、モデルを起用した実演も披露。約300人が拍手喝采する盛況ぶりだった。