再度保釈のゴーン被告に異例条件「夫人との接触禁止」で不満爆発

2019年04月26日 16時00分

保釈時に奇をてらうことはなかったゴーン被告

「私たちは愛し合っている。残酷だ!」。会社法違反(特別背任)の罪で追起訴された前日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告(65)が25日午後10時20分ごろ、東京拘置所から保釈された。

 3月の保釈時に作業員姿に変装していたことが話題になった。今回の保釈もトリッキーな“小細工”が一部で期待されたが、弁護士の用意した車に乗り込んだゴーン被告は普通のスーツ姿だった。前回の保釈時に納付していた保証金は10億円で、今回の5億円と合わせて15億円になった。

 前回保釈時には、住宅玄関への監視カメラ設置のほか、携帯電話やパソコンの使用制限など15項目の条件が付けられた。それに加え、今回追加された条件は「裁判所の許可を得ない上での妻キャロルさんとの接触禁止」だった。ゴーン被告は愛するキャロルさんと抱き合うことはおろか、メールも電話もできない。

 家族との接触禁止が保釈条件となるのは異例。東京地裁は証拠隠滅の恐れがあることは認めつつ、これまでの捜査の状況から保釈を認めた。

 特捜部はキャロルさんが事件関係者に接触した可能性を指摘している。地検の久木元伸次席検事は「被告が事件関係者に対する働きかけを企図していたと認め、証拠隠滅の疑いがあるとしながら、保釈を許可したのは誠に遺憾だ」とコメントを出していた。検察が裁判所の保釈決定にコメントを出すのも異例中の異例。

 ゴーン被告弁護団の弘中惇一郎弁護士は「保釈条件はこれからの積み重ねによって、必要なものは緩和していくと思っている」と話し、キャロルさんとの接触禁止の条件をやむなく受け入れた。夏以降とみられる初公判が行われるころには、接触禁止も解かれることになりそうだが、夫婦の蜜月を取り戻すのは相当先。ゴーン被告は保釈後、米の広報担当者を通じて「私たちは愛し合っている。(妻との接触禁止は)残酷で不必要だ」と表明した。

 キャロルさんはゴーン被告の再逮捕時に自らのスマホやパスポートを押収されたことでも「人権侵害だ」と海外メディアに訴えていた。今回、夫婦は愛を引き裂かれたことで、さらに日本の司法の異常さを喧伝することになりそうだ。