任天堂がスイッチで中国再挑戦も…日本のゲーム・アニメ「才能流出」の恐れ

2019年04月25日 16時00分

 任天堂が家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の中国での販売に乗り出す。これまで中国市場では携帯型の「ニンテンドーDS」などを投入したが、事業を拡大できなかった。今回は中国IT大手の騰訊控股(テンセント)と協力し、世界最大規模のゲーム市場で成功をつかみたい考えだ。

 任天堂は2003年、「NINTENDO64」をベースにした家庭用ゲーム機で中国に初進出。06年にはニンテンドーDSを販売し、いずれも現地子会社が売り込みをかけたが、浸透できなかった。一方、中国の業界団体によると18年の市場規模は2144億元(約3兆6000億円)で世界全体の約24%を占める。

 テンセントのゲーム事業は世界最大級で、スマートフォン向けが主力。自社のゲームをスイッチ向けに配信するなど両社は関係を深めていた。スイッチは世界的にも人気が高く、任天堂はテンセントの販売力に期待しているとみられる。

 任天堂の過去の失敗について、中国人ジャーナリストの周来友氏は「スマホアプリゲームやオンラインゲームが主流の中国では世界的なゲーム機であるDSさえ、全く受け入れられぬまま幕引きとなりました。さらに、中国ではゲーム機のパクリ商品も非常に多く、本物の本体価格が高く感じられた、というのも売れ行きが伸びなかった要因でしょう」と説明する。

 ソニーも先日、中国のアニメ業界に進出することを発表した。中国のゲーム市場もアニメ市場も3兆円強。今後も日本企業が進出するだろう。

 周氏は「日本のゲーム制作会社やアニメ制作会社の若者の多くは長時間労働や低賃金という過酷な環境で働いています。一方、実力主義の中国はこうした日本の才能ある若者を獲得しようと動き始めています。日本企業が中国市場に進出すればするほど、日本の才能も中国へ流出していくのでは。世界に誇る日本のゲーム・アニメ文化がこのままでは中国に持っていかれてしまうことになるのではないか心配です」と話している。