“傷だらけのゴーン”で人権アピール 妻の尋問にも応じた対検察戦略

2019年04月12日 16時00分

地裁には報道陣が詰めかけた

 傷だらけのゴーンだ。日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告(65)が「慢性腎不全」「横紋筋融解症」を患っていると11日、ロイター通信が伝えた。

 東京地検特捜部は4日にゴーン被告を会社法違反(特別背任)容疑で再逮捕。ロイターが入手した弁護団資料によると、ゴーン被告は高コレステロールによる慢性腎不全と横紋筋融解症と診断されていたという。

 聞き慣れない横紋筋融解症は、長時間にわたり四肢が圧迫された場合や過度のアルコール摂取、過度の運動などによって発症する病気。骨格筋を構成する筋細胞が融解・壊死することで筋肉痛や脱力を生じさせ、悪化すると起き上がることや歩行が困難になるという。

 法曹関係者は「代理人を務める弘中惇一郎弁護士はバリバリの人権派。9日に公開されたゴーン被告の肉声動画が期待外れに終わり、頼みの母国フランス政府も距離を置き始めている。こうなると検察の人権侵害を国際社会にアピールするしかない。それがどこまで響くか…」とみる。

 11日には妻・キャロルさんの証人尋問が東京地裁で行われた。東京地検特捜部は、オマーンルートから流れた資金の一部が、キャロルさんの会社に還流されたとみている。弘中氏によると、尋問場所は法廷で、裁判官と検察官、弁護人が出席。キャロルさんは約3時間に及んだ尋問で、証言を拒否することなく、自身の疑惑を否定したという。

「公判前の証人尋問自体が異例。これは愛する妻を巻き込むことで、ゴーン被告にプレッシャーをかけるのが狙いだろう。今後、4人の子供に対しても同様の措置を取る可能性がある」(同)

 再逮捕されたゴーン被告はこれまでとは打って変わり、取り調べで黙秘するようになった。検察との我慢比べはまだまだ続きそうだ。