中国の教育改革 新科目が示す“逆ゆとり路線”

2019年04月09日 16時10分

 多くの学校で新学期がスタートした。日本の小中学校ではグローバル化に対応した教育改革の一環として、2020年から英語教育が大きく変わる。お隣、中国の小中学校でも教育改革の一環で、新たに3つの必修科目が導入されることになったという。

 中国人ジャーナリストの周来友氏は「3つの新規導入科目を見てみると、今の中国の現実がよく分かります」と語る。

 1つ目は「総合実践」で人間力の強化を目指す。「小学生に大量の宿題を課しており、それが原因で人間としての道徳観や身体能力、判断力などが欠如していると指摘されてきました。このため、子供たちの心と体が健やかに育つよう、日本でいう道徳・体育が導入されることになったのです」(周氏)

 2つ目が「編程」。プログラミングなど、最新テクノロジーの基礎を学習する。「背景にはドローンや5G通信、AI技術など、中国が世界の覇権を握りつつあるテクノロジー分野を小学生から学ばせ、将来の人材も育てていこうという狙いがあります」(同)

 3つ目は「書法」で日本の書道の授業に当たるもの。日本と同じく、中国でも小学生からスマホやパソコンを使いこなし、高齢者とは大きく異なる生活を送っている。

 周氏は「危惧されているのが字を書けない子供の急増。中国ではスマホやパソコンを自由に操ることができる一方、文字を書けなくなっている子供が少なくありません。政府は中国の伝統文化でもある書道や、文字を書くという基本的な文化的行為を喪失してしまうことがないよう、書道の授業を設けた」と話す。

 中国では大学受験の競争が厳しく、小学生から宿題が多く、自殺も急増しているという。負担を減らした日本の“ゆとり教育”とは逆に中国の教育改革ではさらに負担が増えるとみられている。