罰則付きの残業上限規制スタート 人手不足でも幸福になれる働き方

2019年04月04日 10時30分

 政府が働き方改革の柱と位置付ける、罰則付きの時間外労働(残業)の上限規制が1日からスタートした。

 長時間労働に歯止めをかけ、過労死や健康被害を防ぐのが目的で、企業には実効性のある取り組みが求められている。これまで青天井だった残業に、初めて罰則付きの上限が設けられる大きな改正だ。

 長時間労働にメスが入ったが、仕事の「量」ではなく「質」を変えようと取り組んで注目を集めているIT企業がある。設立12年の「シンクスマイル」(東京・港区)という会社だ。

 同社は社員が互いを褒め合い、職場環境の改善を図るアプリ「RECOG(レコグ)」を開発して昨年5月にリリース。現在、同アプリを約80社が導入、約1万8000人のユーザーが利用しており、多くのメディアに取り上げられている。

 新子明希(あたらし・はるき)社長(47)は働き方改革関連法について「企業の競争力が弱くなっていく可能性がある」と危惧しており、ポジティブなコミュニケーションを図る同アプリを通して「幸せな職場体験を増やそうというアプローチをしている」という。

 その上で「社員の幸福度と会社の業績がセットで向上して、本当の働き方改革だ」と訴えた。

 一方、日本商工会議所などの調査によると、同法による残業規制の課題として、半数以上の企業が「業務量に対して人員が不足している」と回答している。

 人手不足の改善策の一つとして注目されるのが時短労働だ。人材派遣会社「ネクストレベル」(大阪市)は、2008年の設立当初から短期専門の仕事あっせんに特化している珍しい企業。100万人超の登録ユーザーと提携先の2万社の企業をマッチングしている。

 河原由次社長(33)は、働き方改革関連法の施行により、労働者側で「空き時間ができる人が増え、短期でも働きたいという人が出てくる可能性がある」と分析。企業側も「人手不足の深刻化で短期労働が求められる」と、日本の働き方がガラリと変わるとみている。