杉並区の保育士刺殺 なぜ空き巣の仕業に偽装した

2019年04月02日 07時15分

 東京都杉並区の自宅アパートで乳児院勤務の保育士照井津久美さん(32)が刺殺された事件で、殺人の疑いで同僚の保育士松岡佑輔容疑者(31)が逮捕され、関係者に驚きが広がっている。

 3月30日に逮捕された松岡容疑者は31日に警視庁荻窪署から送検された。事件当日の26日と前日の25日に仕事を休んでおり、捜査本部は25日夕から夜勤だった照井さんの予定を把握し、人目につきにくい時間帯に部屋に侵入して待ち伏せしたとみて調べている。

 松岡容疑者の首や手にはひっかき傷のようなものがあり「照井さんが抵抗した痕の可能性が高い」(捜査関係者)といい、遺留物のDNA型が同容疑者のものと一致。だが、同容疑者は「私は刺していません」と否認しているという。

 松岡容疑者は神奈川県横須賀市で育ち、中学の剣道部では真面目に取り組んでいた。周囲からは「まっちゃん」と呼ばれ、ものまねで笑わせるなどユーモアもあったという。8年ほど前に地元で開かれた集まりでは「保育士をしている」と言い、友人の子供をあやしていた。同容疑者の逮捕に同級生は「まさかという思いで信じたくない」と話した。

 松岡容疑者は、事件現場となった照井さんの自宅から約900メートル離れたアパートに一人暮らし。隣の部屋の住民男性は昨年12月から今年2月ごろ、同容疑者の部屋の方から何度か壁をたたかれた。「普通に生活していたが、『うるさい』と怒鳴られた。神経質な感じがした」と振り返った。

 照井さんのアパートの屋根やベランダの手すりには靴の跡があり、ベランダ側の掃き出し窓の鍵周辺はガラスを熱して割る「焼き切り」という手口で壊されていた。

「松岡容疑者は同僚として6年前から働いていたが照井さんとの交際や、トラブルなどは確認されていないが、怨恨などの動機を隠すためにプロの空き巣の仕業を偽装した計画的犯行だった可能性がある」と捜査関係者は話している。