心地よい感覚で人気「ASMR音源」JR東日本、東京ガスなど大手も参入

2019年03月30日 17時00分

 若者らの間で人気のASMR(聴覚・視覚への刺激で感じる心地よい感覚、頭がゾワゾワするなどの反応)に大手企業が参入し始めた。

 ASMR音源はユーチューブなど動画サイトで多数配信されている。食べ物の咀嚼(そしゃく)音、水の流れる音、耳かきの音や、爪でリズミカルにテーブルをタッピングする音などが「聞いていて気持ちよい」と受け入れられている。

 そんな中、企業やブランドもASMRに参入。これまでに活用されてこなかった音を“資産”ととらえ、音声コンテンツとして展開するブランデッドオーディオレーベル「SOUNDS GOOD」で音源が公開されている。

 3月に第1弾として公開されたのはJR東日本、東京ガスの大手企業。クッション型セラピーロボット「Qoobo」で知られるユカイ工学の3社だ。

 JR東日本が25日に公開したのは「山手線車輪のヤスリがけ」(約20分)。金属的な音が複数重なり、だんだんと規則的な音のループが際立ってくる。鉄道マニアの中には、指令室と乗務員で交わされる鉄道無線を聞く「聞き鉄」もいるが、新しい「聞き鉄」の可能性も感じられた。

 東京ガスは「ハイスピードバーナー」「スーパーフラットバーナー」など4種類の工業用ガスバーナーに点火してから燃焼させる音を紹介。素人の耳でもバーナーの種類による音の違いは明らかだ。「ジー」という点火音から、疾走感のある炎の音。マニアックな世界を誰かが喜んでくれるはず。

 企業やブランドは、配信を通じて自分たちのことを知らなかった消費者と接点を持つことができる。記者も集中するため、原稿を書くときなどASMRにお世話になっている。

 工場製造ラインで発生する特徴的な音や、製品使用時の音など、すでに存在しながら着目されてこなかった音が公開されることで、一気に拡散する可能性もある。“ウケる音”を自分の職場で探してみては。