ユリ・ゲラー氏が旧知のメイ首相に公開書簡 英国のEU離脱「私が止める」

2019年03月26日 08時00分

「テレパシー」を使うというゲラー氏(ロイター)

 あの男は国の方針も曲げることができるのか…。延期が決まった英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、与党保守党や閣内でメイ首相の辞任論が強まってきた。下院で2度否決された離脱合意案について、メイ氏が今週3度目の採決を求めても可決の見通しが立たず、否決されれば辞任は不可避。英紙によると、暫定首相率いる「緊急内閣」をつくるべきだとの意見もある。この欧州を揺るがす騒動に“参戦”したのが、スプーン曲げで有名な英国在住のユリ・ゲラー氏(72)だ。

 メイ氏自身は辞任を否定しているが、24日の英各紙は暫定首相の候補として、メイ氏側近で「事実上の副首相」とも言われるリディントン内閣府担当相や、ゴーブ環境・食料・農村相らの名前が浮上していると伝えた。

 メイ氏は合意案反対派の説得を続けているが、政権に閣外協力をしている英領北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)などは反対姿勢を崩しておらず、今週の採決を疑問視する見方もある。

 混沌とした状況の中、ゲラー氏は自身のフェイスブックで22日、メイ氏に宛てた公開書簡を発表した。

 書簡には「私たちは21年以上にわたってお互いを知っています。お互い近くに住んでいたので、私の家に来たこともあります。あなたが首相になる3年前に、首相になることを予言しましたよね。当選のために、私が超能力で曲げたチャーチル元首相愛用のスプーンを触らせてあげました。私はトランプ大統領が第45代大統領になることも予言し、的中しましたよね」と書いている。

 さらに「私の力はCIA、MI5(英国情報局保安部)、モサド(イスラエル諜報特務庁)によって検証されています。CIAが私の超能力を認めていることは、CIAの公式サイトにも記されています」とも。

 その上で、英国人として、ゲラー氏はこう意見を述べた。

「ほとんどの英国人がブレグジット(ブリティッシュとイグジットの混成語で、英国がEUから離脱すること)を望んでいないことを強く感じます。私はあなたを愛していますが、ブレグジットに導くことは許せません。私がテレパシーで止める。私の超能力が本物だということは、ご存じですよね。私に力を使わせる前に、ぜひEU離脱をやめてください」

 21、22日のEU首脳会議は29日に予定されたEU離脱の延期で合意。延期は下院が今週、合意案を可決すれば5月22日までとする一方、可決できなければ4月12日までに合意案に代わる道を示すよう求めている。

 英国では23日、EU離脱に反対し、2度目の国民投票実施を求める100万人規模のデモが行われた。EU離脱撤回とEU残留を求める英議会請願への賛同者は24日午後、500万人を超えた。そんな流れの中で、ゲラー氏が公開書簡を明かしたわけだ。

 オカルト研究家の山口敏太郎氏はこう語る。

「欧米では超能力者が政治や経済に介入することはよくあることです。英国は現在EU離脱派とEU残留派で激しく争っていますが、最近はEU離脱派の勢力が弱まり、残留派が力を盛り返しています。ユリ・ゲラーがもし超能力で介入した場合、多くの人々が残留に傾く可能性があります」

 ゲラー氏は「テレパシー」を使うという。それをメイ氏だけでなく、英国民に対しても行使するつもりなのか。

「著名人である彼の発言に流される民衆は多いと思われますし、ユリ・ゲラー自身、EU残留を推進する勢力から仕事として受け負った可能性もあります。日本でユリ・ゲラーが超能力ブームを起こした時(1970年代)も、テレビを使った大衆の心理操作の実験であったとの噂が流れています」(同)

 今回、ゲラー氏がフェイスブックやツイッターなどのSNSで発言したことは、ネットで拡散され、世論を実際に動かすことになるかもしれない。

 山口氏は「ひょっとしたら、テレビに続き、今回もまたSNSで世論を動かそうとしている壮大な実験なのかもしれませんね」と指摘している。