地方圏宅地地価「27年ぶり上昇」の要因

2019年03月21日 09時00分

 国土交通省が19日、今年1月1日時点の公示地価を発表し、地方圏の住宅地が27年ぶりに上昇する躍進を見せた。

 全国の最高地価は東京・銀座4丁目の山野楽器銀座本店で、1平方メートル当たり5720万円。東京、大阪、名古屋の3大都市圏は6年連続の上昇、全国の商業、工業、住宅の全用途で1・2%上昇で4年連続で上昇した。

 特に目立つのが地方圏の伸び率だ。全国上昇率トップは、スキーリゾートで外国人観光客に人気の北海道倶知安(くっちゃん)町で、住宅地が50%、商業地が58・8%の驚異の上昇率。長野県白馬村なども24年ぶりに上昇した。

「オーストラリアやアジア各国の富裕層が日本のパウダースノーに感動し、土地や高級コンドミニアムを買っているほか、長期滞在型宿泊施設も多い。それに伴う外国人労働者も増えている」(地元関係者)

 さらに、顕著なのがJR秋田駅前が1・8%上昇した秋田県だ。国交省はその要因として、海外での秋田犬ブーム、なまはげのユネスコ無形文化遺産登録、金足農業高フィーバーなどの話題性を指摘した。

「秋田は上昇する要素が多かった。いずれも昨年の出来事で、半年ほどで地価に反映し、経済効果が実証されたといえる。他にも、国交省が地方4市という札幌、仙台、広島、福岡も9・4%の上昇と、前年を上回る伸び率をみせ、その4市を除いた他の地方圏でも商業地は1993年から続いていた下落から脱した。地方が元気になっている表れ」(不動産関係者)

 国交省は、景気が回復し、企業業績が改善され「日銀の金融緩和策による資金調達環境もあり、法人による不動産取得意欲が強い」「主要都市で店舗やホテルの進出意欲が旺盛」などと分析している。

 来年の東京五輪に向け地価はさらに上昇するとみられ、全国にその恩恵が行き渡るか、期待が持てそうだ。