さよなら、長野の奇跡189系

2019年03月20日 17時00分

189系はこれがラストラン

 旧国鉄時代の面影を残している最後の特急車両となる189系の最後の1編成(N102)が、JRダイヤ改正前日に営業最終運転となるラストランを行った。先日、塩尻~長野間で快速「おはようライナー」として運行された。

 おはようライナーには数多くの鉄道ファンが乗り込んだ。普段、おはようライナーに乗るのは通勤客ばかりだが、この日は9割以上が鉄道ファンだった。東京都国立市から来ていた乗り鉄の男性はこう話す。

「国鉄が急勾配対策のために設計・製造した189系が好きで好きで、これまでに200回は乗っています。峠を登るときの“グォ~~ン”といううなるようなモーター音は、今の最新型の特急車両では味わうことができません。座席も今では使われないようなシンプルなシートなんですけど、これが味わい深いんです。とにかく国鉄時代の不器用さを感じられるんです」

 さらに「“長野車”のN102編成は生粋の長野っ子なんです。信越本線の軽井沢~横川間が廃止になってから、他の189系の編成は各地に転用されていき、そこで余命を全うしました。でもこの編成だけは、ずっと長野運転区所属だったんです。これは奇跡的なことです。本当にありがとう、と声をかけたくなります」と語った。

 189系はかつて特急「あさま」として信越本線を走っていた車両だ。碓氷峠を走っていたことでも知られている。軽井沢駅などの信越本線の駅では、「峠の釜めし」が売られていた。

 189系の先頭車両には「ASAMA」という文字が最後まで残されていた。また、車両の塗装も緑と白で最後まで「あさま色」だった。マニアにとっては、思い出深い編成なのだ。