大阪・西成の准看護師殺害の日系ブラジル人“心神耗弱”主張却下で無期懲役判決

2019年03月15日 17時00分

 2014年に大阪市西成区の准看護師・岡田里香さん(29=当時)を殺害し、強盗殺人罪などに問われた日系ブラジル人、オーイシ・ケティ・ユリ被告(34)の裁判員裁判(上岡哲生裁判長)の判決公判が14日、大阪地裁で開かれた。

 これまでの公判でオーイシ被告は「私に似た人が刺しているのを上から見ていた」「悪いことをしたとは思っていない」などと主張。弁護側は起訴内容を認めた上で、解離性同一性障害のため心神耗弱状態だったと主張し、減軽を求めていた。

 上岡裁判長は「犯行の発覚を隠蔽し、目的達成のために合理的な行動を取っている。善悪を判断し、行動のコントロールができている。犯行時の記憶もあり、主人格から完全に乖離しているとは考えにくい」と指摘。「人を殺害して、成り代わりたいという身勝手な考えで、パスポート取得を目的に凶器も用意するなど計画的な犯行。看護師として将来に希望を抱いていた被害者が同級生に親切にしたがために生じた結果は重大だ。最終的に自白したが、そこまでの供述で深い反省があったとは評価できず、量刑上考慮すべき事情は見当たらない」と求刑通り無期懲役を言い渡した。オーイシ被告は閉廷後も椅子に腰掛けたまま動かなかった。

 オーイシ被告は14年3月、小中学校の同級生だった岡田さんをナイフで何度も刺して殺害。遺体を段ボール箱に梱包し、都内にあった自宅に「粘土の人形」として宅配便で送った。当時、不法滞在だったオーイシ被告は岡田さんに成り済まし、パスポートを取得。奪った現金やクレジットカードなどを不正に使用した後、中国人の知人とともに上海へ渡航したが、現地の日本総領事館に出頭。身柄が日本に引き渡されていた。裁判では責任能力が争点となったため、傍聴人からは「段ボール箱に梱包して遺体を宅配便で送った心境をもっと深く掘り下げてほしかった」との声も聞かれた。