琉球大学・木村名誉教授が分析“大地震最新警戒エリア”

2019年03月11日 19時00分

 11日で東日本大震災の発生から8年。この間、2016年の熊本地震、昨年の北海道胆振東部地震と日本各地が大地震に見舞われた。政府は日本列島周辺で今後30年間に大地震が起きる可能性を公表しているが、長期予測でエリアも広大だ。そこで独自の理論で過去、阪神大震災や東日本大震災などをピンポイントで予測していたことで知られる琉球大学の木村政昭名誉教授に警戒すべき最新地震エリアを改めて分析してもらった。

「東日本大震災があって、その付近のストレスはとれたが、その後の地殻変動を見ると北海道の方で火山活動が活発になり、伊豆諸島に変化が起きたりしている。太平洋側からのプレッシャーで太平洋プレートの北側と南側で悲鳴が上がっている」と話すのは木村氏だ。

 木村氏は地震と連動する火山噴火から“地震の目”といわれる大地震を引き起こしかねない空白域をピンポイントで見つけ出してきた。現在、地震の目はどうなっているのか? 日本列島にはマグニチュード(M)7・5以上の大地震につながりかねない6つの“地震の目”があるという。

 その場所は「北海道東方沖」「岩手県沖」「伊豆諸島沖」「日向灘付近」「奄美沖」「八重山諸島付近」だ。最も緊急度が高いのは伊豆諸島沖。西之島が活発な噴火活動を繰り返し、噴火で流れ出た溶岩で面積を拡大してきた。

「西之島の噴火は伊豆・小笠原海溝が相当なプレッシャーを受けていることを示している。小笠原沖が割れる可能性がある」(木村氏)

 岩手県沖に関しては、15年2月に地震の目のエリア内でM6・9の地震が起きた。「M8・5を予想していたが、そこまで達していなかった。ストレスが取れた可能性はあるものの様子見です」(木村氏)。他の4エリアも地震の目に近接した場所で地震が起きているが、大地震の前兆の可能性があるため、警戒すべきという。

 一方、政府は死者最大32万人にも上ると試算する東海から九州沖での南海トラフ地震の発生を今後30年間で70~80%と予測している。しかし、木村氏は「今のところ兆候はない。まだ、だいぶ時間はある」と発生につながる地震の目は出ていないという。

 南海トラフ地震は和歌山・四国沖、三重・愛知沖、東海沖が連動することで大地震となった歴史があるが、09年8月に東海沖に位置する駿河湾地震(M6・5)が発生したことで、ストレスが抜け、危険性は減少しているという。

 また首都直下地震も地震の目は出ていない。首都近辺で警戒すべきは、富士山噴火の可能性だ。「小笠原の方で大地震が起きた場合、南側の伊豆半島側のプレートが力が抜け、北側の富士山の方にかかっていく。マグマだまりが押されて噴火する。富士山は非常にきちょうめんな火山で、北側と南側が交互に噴火している。前回、1707年の宝永大噴火は南側で、次に噴火があるとすれば溶岩が流れるタイプではないか」(木村氏)

 6つの地震の目はM7・5~M8・5予想で、東日本大震災のM9には及ばないものの発生すれば、甚大な被害となりかねない。また4つのプレートの上にある日本列島だけに、M7・5以上までには至らないものの小さな地震の目は無数に出ている。

「東日本大震災の影響で、日本列島全体にプレッシャーがかかって、中小規模の地震は起こりやすくなっている」(木村氏)。いつ地震に見舞われても対応できるよう準備が必要だ。