韓国「三菱差し押さえ」の“厚顔” 技術提供をさんざん受けてきた過去

2019年03月08日 17時00分

 韓国の元徴用工や元朝鮮女子勤労挺身隊員らが三菱重工業に賠償を求め、韓国大法院(最高裁)が原告側の訴えを認めたことを受け、元挺身隊員側の弁護団は7日、賠償支払いを拒否している同社の資産差し押さえを、ソウル中央地裁に申請したと発表した。元徴用工の弁護団も近く申請する。それにしても三菱グループが韓国の発展にどれだけ貢献してきたか。専門家が「韓国はまた恩をあだで返した」とあきれた。

 韓国の裁判所は1月3日、新日鉄住金の資産の差し押さえを決定しており、三菱重工の資産についても認めれば2件目となる。日本政府の反発は必至で、日韓関係の一層の悪化は避けられない情勢だ。

 弁護団によると、申請対象は三菱重工が韓国内で所有する商標権2件と特許権6件。地裁が差し押さえを認めれば、同社は売却や譲渡ができなくなる。弁護団の一人は取材に対し、3月中にも売却申請を行う方針だと明らかにした。

 新日鉄住金のケースでは、裁判所は原告側の申請から数日で、資産差し押さえの決定を出した。

 日本政府は、1965年の日韓請求権協定で韓国人の個人請求権問題は解決済みとの立場で「判決は暴挙だ」(河野太郎外相)と強く反発。被告企業に賠償には応じないよう求めている。韓国政府に対し、判決で日韓請求権協定の違反状態が生じたとして早期是正を求めているが、韓国側は対応策を発表していない。

 三菱重工を相手取った訴訟の原告らの支援団体は7日の声明で、差し押さえ申請に至った責任は「十分な時間を与えたにもかかわらず、自ら機会を捨てた三菱重工側にある」と指摘。原告らの債権確保のための「当然の措置だ」と強調した。

 弁護団は追加訴訟の原告を募っており、5月までに提訴する方針。韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏はこう語る。

「また、あの国に恩をあだで返されました。朝鮮戦争後、アジアの最貧国に甘んじていた韓国が、まがりなりにも工業中心国としてテークオフするきっかけを作ったのは、日韓基本条約による8億ドルの援助資金と技術協力のおかげといえます。そのうち、最も韓国の発展に尽くしたのが、新日鉄と三菱グループです」

 当時の朴正熙元大統領は日韓基本条約締結にあたって、「あの戦艦武蔵を建造した三菱重工のお力を借りたい」と三菱商事を通し、三菱重工に協力を要請した。現代自動車による国産車第1号のヒュンダイ・ポニーは三菱自動車工業のエンジンを積んでいるほか、三菱自工は同社の小型車生産のために惜しみなく技術を提供している。ごく直近の例では、韓国の人工衛星アリラン3号を打ち上げたのは、三菱重工のH2Aロケット21号機だ。

 しかし、但馬氏は「三菱は韓国の要請に応え、ロシアの提示する打ち上げ費用より100億ウオンも安い193億ウオン(約13億円)で受注しています。打ち上げ成功は韓国のテレビでも大々的に取り上げられましたが、打ち上げを再現するアニメーションでは、機体にあるはずの日章旗、NIPPONの文字、それに三菱のロゴマークが消され、その代わりに太極旗が描かれていました。おそらく、テレビを見ていた韓国人の多くは、ロケットもすべて国産品であるかのように認識したことでしょう」と言う。

 また、日韓基本条約締結に合わせて、技術支援の一環として、一人の日本人アニメーターが韓国に渡っている。満州映画協会出身の森川信英氏だ。4年間、韓国にとどまり、アニメーターの育成に励んだ。

「森川氏の指導の下、現地スタッフによって作成され、逆輸入の形で日本でも放映され人気を博したのが、あの『妖怪人間ベム』(68年)です。あの韓国の国民アニメといわれる『テコンV』の金青基(キム・チョンギ)監督も森川氏の門下です。森川氏は晩年のインタビューで、韓国行きに際しては、三菱商事からの要請だったと語っています。つまり、三菱がなければ、韓国にアニメが根付くこともなかったかもしれないのです」(但馬氏)

 それがこの仕打ち。三菱、いや、日本の企業はみな、懲りたことだろう。