投資詐欺で逮捕された牛乳配達営業所の元所長 信用得るためトップの営業成績キープ

2019年02月27日 17時15分

 配達先の客に架空の投資話を持ちかけて計1050万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた牛乳配達営業所の元所長、加松英邦被告(69)に対して、さいたま地裁が26日、懲役4年の有罪判決を下した。

 加松被告は牛乳を配達する営業所で所長をしていたが、自身の担当するエリアの配達先で「うその儲け話」を持ちかけていた。「俺の知り合いが野村証券で働いている。まだ公表されていない商品があって、今買えば利益が上がる。枠があるから、300万円で買わないか」。そんな口から出まかせを駆使し、2014年12月にさいたま市内の客(72=当時)から現金300万円を自身の口座に振り込ませ、さらに150万円、100万円とだまし取った。また、15年には川口市に住む客(68=当時)にも「早稲田大の後輩が野村証券で働いてて、すごいヤツで俺も儲けさせてもらっている」などと言って、うその投資話で500万円をだまし取った。

 少額の投資を持ちかけ、実際に多少の配当金をつけて返して信用を得ていた。さらに「本当は俺は○○(牛乳メーカー)の役員なんだけど、健康づくりのためにグループ会社で配達をしている」などのうそでも被害者をだました。信用を勝ち取ったと確信させた段階で“本当の詐欺”の話を提供した。

 過去にも同様の前科が2件あり、根っからの詐欺師。しかし表向きの仕事では営業ノルマを達成するために、自分で商品を購入するなどしてトップクラスの営業成績を維持していた。そこまでしていたのは営業所内でも信用を得るためだったようだ。

 支給停止していた年金250万円を使って被害弁償をするというが、残り800万円は弁償の見込みがない。傍聴席では被害関係者がにらみを利かせていた。バツが悪いのか、加松被告が傍聴席に顔を向けることはなかった。