北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が26日、2度目の米朝首脳会談が開かれるベトナムの首都ハノイに到着した。トランプ大統領も同日夜に現地入り。27日から2日間の日程がスタートする。両首脳が発表する共同声明の内容をめぐって実務協議を継続してきたが“成果”が得られるかは未知数だ。

 正恩氏は妹の金与正氏らを帯同し、ハノイのホテルに滞在した。ホワイトハウスによると、トランプ氏は27日、1対1で正恩氏と短時間会談後、ポンペオ米国務長官とマルバニー大統領主席補佐官代行を伴い、夕食会に臨む。

 北朝鮮の非核化と引き換えにした制裁解除などの交渉は難航。ポンペオ氏は会談直前になっても、非核化についてどのような合意がなされるか明言を避けている。米側は関係改善や平和体制構築に向けて朝鮮戦争終結宣言などを打診してきたが、外交筋によると、北朝鮮側の反応は芳しくない。首脳会談によって状況が変わることが期待されているという。

 訪越で注目されたのが、正恩氏が4000キロの陸路を利用したことだ。北朝鮮・平壌を23日午後に発車した特別列車は、同日夜には中国に入り、26日朝にベトナム・ドンダン駅に到着した。

 中国の駅で途中下車した正恩氏がホームでたばこを吸うTBS撮影の映像も話題となった。マッチでたばこに火をつける正恩氏と、そこに灰皿を持って駆けつける妹の与正氏。「マッチの使い方が手慣れている」「使ったマッチを箱に戻した」とネット上で驚きの声があふれた。特に、ポイ捨てをしなかった点は「マナーが良い」と高評価を得た。首脳会談前の“注目度勝負”では北朝鮮に軍配が上がったようだが、トランプ氏は成果で挽回できるか。