東京慈恵会医科大で内部告発 長期体制「栗原王国」にほころび?

2019年02月23日 17時00分

 まさかの内部告発か。昨年、医学部不正入試が社会問題となった。特定の受験生を優遇したり、女子や浪人生を不利に扱っていたことが発覚し、緊急調査を実施した文部科学省は、東京医科大学など10大学を「不適切」とした。ここに名前が出なかった大学は、果たして“シロ”と言い切れるのか――。名門医大の内部から予想外の声が届いた。

 私大医学部の入試はおおよそが終わり、満開の桜を咲かせた受験生もいれば、涙をのんだ受験生もいるだろう。とりわけ今年の医学部入試が注目されているのは昨年、東京医大に端を発して複数の大学で“不正入試”が行われていたことが発覚したからだ。世間の反発は大きく、文科省は緊急調査を実施して、「不適切な事案」「不適切の可能性が高い」として10大学を認定する最終報告を公表した。

 この報告から約1週間後の昨年12月末、文科省に不適切認定されなかった名門・東京慈恵会医科大学は「東京慈恵会医科大学医学部医学科の入学者選抜について」という声明をオフィシャルサイトで発表した。

「本学は性別や年齢(現役・浪人)等の属性による差異を設け得点調整を行うことや特定の受験生を優先させて合格させることも行なっておりません」と不正入試をまったくしていないとした。

 だが、慈恵医科大内部からはそれに反する声が上がっている。

「少なくとも昨年まで、OBの子弟は優遇されていたはずです。筆記の1次試験には実力で合格しなければなりませんが、面接と小論文の2次試験ではほとんどが受かっていました。当然、優遇される人がいれば、犠牲になる人もいます。それが多浪生なのです。校内では公然の秘密となっています」(慈恵医科大関係者)

 そこで慈恵医科大に質問したところ、同校広報課は前記の「東京慈恵会医科大学医学部医学科の入学者選抜について」という声明通りとし、一切の不正入試を否定した。

 慈恵医科大の付属病院にはこれまで数々のVIP患者が入院するなど、名門として名をはせているが最近、大きく揺れている。昨年秋には「サンデー毎日」が「名門慈恵医大病院に何が起きているか」という記事を掲載。学校法人慈恵大学のトップを務める栗原敏理事長の長期体制によるほころびを報じた。

 前出の慈恵医科大関係者は「大学、病院内では現体制に不満がたまっているのは事実。その一方で、栗原理事長、慈恵医科大の学長が全人事権を掌握しているので、王国みたいになっています。不正入試があったかどうかを調べるために、第三者委員会すら立ち上がらないことがその証拠です。いよいよ(不満の)ビッグバンがはじける感じになっているのですが、人事をエサに少しずつガス抜きをして、爆発しないようなシステムになっています。ここ何年か、信じられないくらい新たなポストが乱発され、アメがばらまかれています」と明かした。

 大学や病院は私企業であるにせよ、国から助成金を受け取り、社会のインフラという側面を持っている。だからこそその動向を多くの国民が注視している。