衝撃!「ターミネーター」の現実味と問題点

2019年02月21日 07時30分

アーノルド・シュワルツェネッガー

 立教大学21世紀社会デザイン研究科・社会デザイン研究所が19日、「キラーロボットのない世界にむけて」と題した公開シンポジウムを行い衝撃的な事実が公表された。

 参加した識者から自律型致死兵器システム(LAWS=リーサル・オートノマス・ウェポン・システムズ)がすでに完成しており、実戦投入のカウントダウンに突入しているというのだ。

 LAWSは人間の介入や操作なしで、搭載されたAI(人工知能)が自らの判断で人を殺傷する兵器だ。アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画「ターミネーター」(1984年)の世界が、ロボット工学とAIの急速な発展で、現実化しようとしている。

 ロボット兵器規制国際委員会共同設立者のピーター・アサロ氏は「基礎的な技術があるため、LAWSは来週でも来月でも作れる。もはや技術が障害になっているのではなく、ためらいという規範だけが障害になっている」と指摘する。

 LAWSの開発は米、ロシア、イスラエル、中国などが先行しているといわれている。昨年まで米IT大手グーグルのエンジニアだったローラ・ノラン氏は、ドローンの撮影動画をビッグデータと統合させる「メイブン」なるプロジェクトに参加していた。

 このプロジェクトは米国防総省からの依頼で、ノラン氏は「LAWSにつながる。戦争にかかわる事業に参加すべきでない」と反対し、同社を辞めた。ノラン氏も「安全性を求めなければLAWSはすぐに作れる。この5年、10年、業界から技術者をたくさん引っ張って、研究に充ててきた」と証言した。

 LAWSの問題点は、まだ実戦配備されていないため、その脅威が認識されていないことにある。禁止する国際条約もない。立教大学の長有紀枝教授は「地雷やクラスター爆弾のように目の前で被害を受けた方がいないので、キャンペーンの広がりも薄い。いったん実用化されると、すべての人の被害にかかわる」と心配する。

 アサロ氏は「あと5年たてばLAWSは配備される。ターミネーターの世界にいくにはもう少し先の話だが…」と危機感を募らせた。