共産主義の革命歌「インターナショナル」中国国内で歌唱禁止になった裏事情

2019年02月13日 17時00分

 日本でも労働歌として一部で親しまれている社会主義、共産主義を代表する革命歌「インターナショナル」が中国で“禁止”になり、話題になっている。19世紀のフランスで生まれた革命歌「インターナショナル」は、旧ソ連では第2次世界大戦中まで国歌になっていた。中国では、共産党全国代表大会や共産党地方各級代表大会など重要な大会で歌われてきた。ところが、中国人ジャーナリストの周来友氏は「このほど、中国政府がインターナショナルを中国国内で歌うことを禁止したと、中国メディアが伝えています」と語る。

 確かにここ数年、中国のネットでは「『国際歌』が禁歌になった?」とたびたび話題だ。それでも、大きな党大会では歌われている。政府として一般人が歌うことを法律で禁じているわけではないようだが、なるべく歌わないでほしいというニュアンスのようだ。

 革命歌だけあって、その歌詞は「立ち上がれ、餓えに苦しむ奴隷たち!」「古い世界をぶち壊そう、奴隷たちよ、立ち上がれ!」「救世主など現れたことはなく、神や皇帝にも頼れない!」「労働の果実を奪還し、古い思想を打ち壊そう」「これが最後の戦いだ、明日までに団結せよ、インターナショナルを実現せよ」などと過激だ。

 周氏は「中国政府が過激な歌詞を危険視するようになったのです。中国は経済成長とともに調和社会を目指すようになりました。労働者と資本家の対立を防止し、社会的階級間の争いをなくそうとしています。ところが、この歌は労働者階級の団結を呼びかける内容であるため、今の中国社会の目指すものとは全くかけ離れた内容となっているのです」と語る。

 さらにこの歌が危険視されるのは、もう一つの理由があるという。

「中国では公務員の不正・汚職問題、官民間の対立、経済階級間での対立などが多く存在しており、まさにこの歌詞を意識する人々が増えることを政府が警戒している。社会主義国家として革命を叫び続けていた中国が、今では革命こそ一番恐れているかもしれません」と指摘している。