世界にバレた北の笑撃兵器

2013年04月02日 11時00分

 このところ連日のように日米韓に対し、威嚇する言動を繰り返している北朝鮮は30日、「(韓国との)北南関係は戦時状況に入った」との特別声明を発表した。前日には金正恩第1書記が戦略ロケット(ミサイル)軍の作戦会議を緊急招集。「米の核による脅迫には無慈悲な核攻撃で応える!!」とまたもやほえてみせ、必要時に米軍を攻撃できる「射撃待機状態」に入るよう指示したと朝鮮中央通信が伝えた。威勢だけはいい北朝鮮だが、実はとんでもない“軍事機密”を公表してしまったことに気づいていない様子だ。

 北朝鮮による29日の発表は、核兵器搭載可能な米軍のB2ステルス戦略爆撃機が28日に韓国西部で爆撃訓練を行ったことへの対抗措置。正恩氏は、同日午前0時という真夜中に会議を開くという極めて異例の対応を公表することで緊張をさらに高め、強く警告してみせた。

 一連の北朝鮮の動きに韓国などでは「このままでは近いうち、本当に核戦争へと暴走してしまうのではないか…」と危機感を強めていることは事実だが、米有力紙ワシントン・ポストは今週、「この写真をみたら北への恐怖感は激減する」という見出しの記事を掲載した。

 問題の写真というのが「これ、いつの時代に撮ったの!?」と首をかしげたくなるような1枚だ。イスに座った正恩氏を囲んだ軍幹部らが、ブリキで作ったような、なんとも怪しい機械を説明している様子が写っている。

 同氏の目の前にはキーボードらしきものが置かれ、テンキーがある部分には半球状の赤い“パトランプ”のようなトラッキングボール。また、機械の背後には2~3本のコードが伸び、本体の上には、これまた時代感のあるレーダーのアンテナか扇風機のようなモノが…。

 一体これは何なのか!? 朝鮮中央通信が世界に向けて配信したこの写真の説明には、堂々と「朝鮮人民軍1501部隊が開発した最新の戦闘技術機器」とあり、24日に正恩氏が部隊を視察したとしている。

 さらにもう1枚、同様に“最新技術”を強調した写真が配信された。展望台でよく見る、100円玉を投入して作動する望遠鏡のような機材に片ヒジをつき、ポーズを取る正恩氏と軍幹部の写真だ。これが何なのかも不明だ。

 長年、北朝鮮の動向を監視しているネットブログ「北朝鮮リーダーシップ・ウォッチ」によると、これらの機材を開発した1501部隊は、子供の遊び場に置くプラスチック製のすべり台などを製造する部隊らしい。

 これらの写真は、北朝鮮が自慢げに公開してしまった“軍事機密”だが、29日の緊急作戦会議の様子を撮影し、朝鮮中央通信が配信した写真もまた、北のハッタリがモロバレする1枚となった。

 写真は会議室の正恩氏らを撮影したものだが、背景の部屋の壁には、人民軍の戦力の一覧とも見える兵器と数量の記載が写っていたのだ。

 一覧には「潜水艦40隻、上陸艦艇13隻、飛行機1852機」などと記されている。韓国国防省が把握し、公表している人民軍の兵器の数は「潜水艦が70隻、上陸艦艇が260隻余り」などで、いずれも写真の中の数はかなり少ない。

 韓国では、写真チェックのミスで公開されてしまったとの分析や、何らかの意図を持って写真が公表されたとの見方が出ているが…。ワシントン・ポスト紙が伝えるように“北の脅威”がこけおどしの割合が大きいことは明らかだが、こんな幼稚な国家の若い指導者による暴走の可能性が捨て切れないことも事実だ。